がん検診とは

皆さんは年に1度、定期的に職場や学校などで「健康診断」を受診していると思います。一般的な健康診断は、対象の病気を定めず、身体に異常がないかどうかを調べます。
これに対し、「がん検診」は、特定の病気に絞って調べます。

ここでは、「大腸がん」について調べる「大腸がん検診」について紹介します。

大腸がん検診の意義

(監修)東邦大学医療センター大森病院 消化器センター内科 教授/センター長 松田 尚久 先生

1大腸がんは、日本で最も多いがんです。

日本では年間15万人以上が大腸がんと診断され(がん罹患全体の15.6%)、最も多いがんです。

これは、高齢者の増加や肥満、運動不足、飲酒・喫煙などが原因といわれています。

※出典:国立がん研究センター

2日本では、10分に1人が大腸がんで亡くなっています。

国立がん研究センターの調査によると、日本において、大腸がんで亡くなる人は、年間5.3万人。実に10分に1人が大腸がんによって命を落としています。

3早期の大腸がんは、自覚症状がほとんどありません。

10分に1人が亡くなっている、と聞くととても恐ろしい病気に思われるかもしれません。大腸がんの恐ろしいところは、早期では自覚症状がほとんどないことです。「おなかが痛い」「便の形が変」「便に血がついている」といった自覚症状がでたときには、大腸がんが進行してしまっていることもあります。

4早く見つければ、早いほど治りやすいです。

しかし、大腸がんのもう一つの特徴として、早期に見つければ、高い確率で治ることが期待できます。発見が遅れてがんが進行してしまうと、治る確率はどんどん下がってしまいます。発見が早ければ早いほど、大腸がんを治すチャンスが増えるのです。

5自覚症状がなくても、検診を受けましょう。

早期の大腸がんは、自覚症状がほとんどない一方、早期に発見できれば高い確率で治る大腸がんにこそ、検診を受ける意義があります。早期の段階で大腸がんを見つけ治療するためには、定期的な検診を受けることが大切です。

大腸がん検診の方法として、世界的に広く用いられている検査が、便潜血検査です。この検査を毎年受けることで、がんによる死亡リスクを30~60%減らせるという報告もあります。

大腸がんで命を落とさないためにも、ぜひ大腸がん検診を受けましょう。

参考文献
1) Mandel JS, Bond JH, Church TR, et al. Reducing mortality from colorectal cancer by screening for fecal occult blood. Minnesota Colon Cancer Control Study. N Engl J Med. 1993; 328: 1365-71.
2) Chiu HM, Chen SL, Yen AM, et al. Effectiveness of fecal immunochemical testing in reducing colorectal cancer mortality from the One Million Taiwanese Screening Program. Cancer. 2015; 121: 3221-9.

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