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社長メッセージ

代表執行役社長
寺本 哲也

【第74期事業年度を振り返って】
第74期(平成24年3月期)は、第1四半期には東日本大震災直後の一時的な需要の増加と在庫確保の動きの反動から製品全般で売上が落ち込みましたが、第2四半期に入り復調いたしました。また、昨年10月にタイで発生した洪水により便潜血検査用採便容器の一部を製造委託しております会社が被害を受け、製品の安定供給に支障をきたし、お客様にご迷惑をおかけいたしました。お詫び申しあげます。国内への製造移管及び増産による対応を進め、供給の早期正常化に向けて全力で取り組んでおり、安定供給に注力してまいります。
このような環境の下、当社グループは新経営構想“EIKEN ROAD MAP 2009”の方針に基づいて、国内での主力製品の売上拡大に努めるとともに、便潜血検査を中心に海外展開の拡大を図り、当連結会計年度における売上高は277億2百万円(前年同期比0.5%増)となり、12期連続の増収を達成いたしました。
営業活動に関しましては、国内外で販売促進に努め、海外におきましてはオランダのアムステルダムに欧州事務所を開設し、欧州各国の代理店及びユーザー対応のスピードアップを図りました。研究開発活動に関しましては、遺伝子検査(LAMP法)製品のラインナップ拡充と生物発光法(BLEIA法)を利用した新規免疫試薬・装置の開発を推進し、商品化に向けた準備をいたしました。生産性の向上に関しましては、効率的な生産体制を確立すべく、東金工場を閉鎖し野木工場に集約することを決定し、現在、平成24年2月に野木事業所内に竣工したオペレーションマネージメントセンター(事務棟、製造棟)等への生産移管を進めております。また、平成24年3月末に王子事業所を売却いたしました。
連結子会社である栄研生物科技(上海)有限公司は、LAMP製品の生産設備を整え、生産・販売の体制を強化いたしました。なお、同社は、さらなる中国全土への事業展開を図るべく、平成24年4月1日付をもって社名を栄研生物科技(中国)有限公司に変更いたしました。

【当事業年度の見通し】

当期(平成25年3月期)のわが国経済は、電気料金の値上げ、原油価格の高騰、円高の長期化などにより、引き続き不透明感が続くと考えられます。このような経営環境の下、当社グループは“EIKEN ROAD MAP 2009”に基づいて、国内市場での主力製品の販促強化を行うとともに、海外での便潜血検査用試薬の市場開拓、遺伝子検査(LAMP法)製品・ライセンスのグローバル展開、中国での生産・販売体制の強化など、グループ全体でのグローバル化を推進してまいります。また、東金工場の閉鎖(平成24年8月予定)に伴う野木工場への生産移管による製造原価の低減、全般的な経費削減による収益構造の強化を継続的に進めてまいります。
当期の連結業績見通しにつきましては、売上高は280億円(前年同期比1.1%増)を見込んでおります。営業利益につきましては、24億60百万円(同4.1%増)、経常利益は25億60百万円(同0.7%増)といたしました。当期純利益につきましては、16億20百万円(同10.9%増)としております。



【グローバル企業 EIKENの実現に向けて、EIKEN ROAD MAP 2009の推進】
当社グループの柱となる事業は、臨床検査と食品・環境検査であります。
当社グループは、経営理念『ヘルスケアを通じて人々の健康を守ります』を実践し、この2つの事業でグローバル企業を目指していきます。 その実現に向けて、当社グループは2つの施策を実行していきます。
ひとつは、日本の『検診システム』を世界に向けて発信していくことです。 まずは、国内で培った便潜血検査による検診事業のモデルを世界に拡げていきます。
もうひとつは、感染症検査薬のグローバル展開を図ることです。感染症の検査に、今後大きな役割を担うのは、遺伝子検査となります。当社独自の遺伝子検査技術であるLAMP法を簡易簡便化し、医療の現場で使える検査として、検査の裾野を拡げていけば、感染症の撲滅に大きく貢献できると考えています。これは、先進国向けだけではなく、FIND*との共同事業である結核やマラリアなど、途上国でも使用できる簡易遺伝子検査試薬を開発することで、世界中の人々の健康に貢献できるものと考えています。
この2つの施策を実行し、更なる企業価値向上に取り組んでまいります。

*)FIND:Foundation for Innovative New Diagnosticsの略。途上国向けに革新的な検査方法を開発する非営利目的の基金。