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トップメッセージ

代表執行役社長
和田 守史

【第78期事業年度を振り返って】
株主の皆様には、日頃より格別なご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
第78期(平成28年3月期)は、国内での医療費抑制策が続く中、引き続き、当社グループの新経営構想"EIKEN ROAD MAP 2009"の方針に基づいて、国内市場での主力製品の販売拡大及び新製品の開発推進に努めるとともに、海外での便潜血検査用試薬の市場展開の加速及び遺伝子検査(LAMP法)製品のグローバル展開など、グループ全体でのグローバル化を推進してまいりました。
具体的には、以下の重点課題について取り組んでまいりました。
@グローバル化の推進
前連結会計年度に採用となったフランス政府やスペインのマドリード・バルセロナが実施する大腸がんスクリーニング検査が売上に大きく貢献いたしました。そのほか、北米、アジアでの便潜血検査用試薬・装置の展開、イタリアでの尿検査用試薬・装置の販売拡大に注力いたしました。また、海外市場の尿定性検査事業において、さらなるシェア拡大を図るべく、シスメックス株式会社と業務提携いたしました。
FIND(Foundation for Innovative New Diagnostics)との共同開発として取り組んでおりますLAMP法を用いた結核菌群検出試薬については、グローバル展開に向けて準備を進めました。
A独自技術及び研究開発力の強化
当連結会計年度に発売を計画していた迅速検査用試薬や遺伝子検査用試薬、検査装置の開発などを推進いたしました。その結果といたしまして、イムノクロマト法による迅速検査キット(イムノキャッチシリーズ)として、「イムノキャッチ‐RSV」を2015年8月に、「イムノキャッチ‐肺炎球菌」を2016年1月に発売いたしました。さらに、百日咳菌遺伝子検出試薬としては日本で初めての体外診断用医薬品となる「Loopamp百日咳菌検出試薬キットD」を 2015年12月に発売いたしました。また、免疫血清学的検査用試薬では、間質性肺炎の検査用試薬「LZテスト'栄研'KL-6」を2016年2月に発売いたしました。
B生産性の向上
製造原価低減に継続して取り組み、売上原価率は前期比で0.2ポイント低下いたしました。
当社グループは、工場建設、製造設備の更新による生産性の向上に取り組んでおります。当連結会計年度においては、2015年6月に野木事業所内にエネルギー棟を新設したほか、尿検査用試薬等の生産能力増強のため、新規製造設備の導入と新製造棟の建設を開始いたしました。
C人財の育成と活用
前連結会計年度において立案した基幹人材育成プログラムに基づき、グローバル人財の育成に向けた研修を実施いたしました。
D社会的責任の実践と社会との調和
マイナンバー(社会保障・税番号)制度への対応として、社内の情報管理体制を整備いたしました。コーポレートガバナンス・コードへの対応については、コードの各原則の実施に関する開示や説明についてコーポレートガバナンス報告書に記載し、当社ウェブサイト及び東京証券取引所で閲覧できるよう開示しております。また、一般社団法人日本臨床検査薬協会の「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に基づいて定めた「医療機関等との関係の透明性に関する指針」に基づき、2014年度分(2014年4月1日から2015年3月31日まで)の医療機関及び医療 関係者への資金提供に関する情報を当社ウェブサイトに公開いたしました。
環境マネジメントシステムといたしまして、環境プログラムを作成し、省エネルギー・省資源活動、環境配慮型製品の提供に向けた活動を継続して実施いたしました。
リスクマネジメント活動といたしまして、情報漏洩防止に対するシステム監視を強化するとともに、従業員への指導及び周知徹底を図りました。
これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は、便潜血検査用試薬・装置を中心に海外向け売上高が大きく伸び、321億63百万円(前期比3.7%増)となりました。
利益面では、自社製品の製造原価の低減、経費の効率的な使用に努めたことにより、営業利益は35億36百万円(同25.1%増)、経常利益は35億70百万円(同18.5%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として野木工場の新製造棟建設に伴う解体費用等1億83百万円を計上し、24億29百万円(同15.7%増)となりました。

【当事業年度の見通し】

当期(平成29年3月期)のわが国経済の見通しについては、中国経済の減速や年明けから急速に進んだ円高等により、企業の警戒感は根強く、慎重姿勢が続くものと考えられます。臨床検査薬業界におきましては、医療制度改革が進められる中で平成28年度診療報酬改定が実施され、検体検査実施料は全体でマイナス0.4%程度と小幅な下げにとどまりました。その中では、地域包括ケアシステムの推進と医療の機能分化を促進させるための施策が取られており、病院の機能分化はより一層進展していくことが予想されます。海外においては、先進国における医療費抑制のための効率化のニーズや予防医学の拡大、新興国における人口の増加と経済発展に伴う医療インフラの整備など、今後も継続的な成長が期待されております。
このような環境の中、当社グループは、2009年3月に策定した新経営構想"EIKEN ROAD MAP 2009"の基本方針のもと、グローバル展開を柱としたグループ中期経営計画(平成29年3月期から平成31年3月期)を着実に推進してまいります。
次期の業績見通しについては、売上高338億30百万円(前期比5.2%増)を見込んでおります。利益面では、集中的な研究開発投資等による一時的な費用増加により、営業利益は27億10百万円(同23.4%減)、経常利益は27億10百万円(同24.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億20百万円(同25.1%減)といたしました。
なお、海外向け売上高は47億60百万円(同36.0%増)と売上比率で14.1%を見込んでおります。