2016年12月号(第62巻12号)

〇早いもので今年も1年が終わろうとしています。
おかげをもちまして本年も、皆様のさまざまな思いが詰まった1-12月号を送り出すことができました。今年もお力添えをいただき、誠に有難うございました。
本誌は長年にわたり皆様に育まれ、来年は63年目を迎えます。人間でいえばかなりの大人になりましたが、永遠に独り立ちができないのが冊子の運命。その癖、生き物さながらに皆様からのご支援でいかようにも育つことができます。どうか来年も、ご指導ご鞭撻、そしてご愛読をたまわり、本誌の歩みを見守っていただきますようお願い申し上げます。
本誌へのご意見、ご感想がございましたら、お気軽に編集室までお寄せください。
〇本年5月号から掲載を開始した「グローバル化時代の医療・検査事情元・大使館付医務官の独り言」は、好評のうちに本号掲載の「第八話」で最終回となりました。ご愛読者も多く、連載中はお会いする方々から「経験談はやはり面白い、毎回楽しみに読んでいるよ」「あんな風に海外で頑張っている日本人がいるのは嬉しいことだよね」など、たくさんのご感想をいただきました。
吉田先生から第一話を入稿いただいたのは2月中旬のこと。以来、内容はもとより、言葉の選択や読点の打ち方に至るまで、微に入り細に入りお調べになっては、読者の方々に内容が正しく伝わるよう工夫を重ねられました。最終回までのおよそ10ヵ月にわたる吉田先生と編集室とのやりとりのメールは300通近くにもなります。眼病の影響で目を酷使するのはお辛いなか、大変なご作業であったことと思いますが、このご努力があってこそ人気のシリーズになったものと思います。
本シリーズをご愛読いただいた読者の皆様、この連載をご提案くださった東邦大学名誉教授山口惠三先生、そして長い間、本シリーズのご執筆にご尽力いただいた吉田定信先生に心より御礼申し上げます。

〇なくな なげくな
氷のかけら
われてとけても もとの水
(「南から吹く風の歌」浜田廣介 より)

今年は皆様にとってどのような年でありましたでしょうか。
思いどおりにいくことより、思うようにいかないことのほうが断然多いのが当然と知っていても、何かにつまずき、がっかりして気力を失いそうになることもあります。とはいえ、過去はどんなことをしても変えられないもの。新年を迎える風習は、仕切りなおしの背中を押してくれるものでもあります。
来年も編集事務局一同、新たな気持ちで頑張っていきたいと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。

(大森圭子)