旅先、街角のスナップ（12）

日帰りでどこかふらっと旅をしたいとき、いつも頭に浮かぶ街が上田市。ふるいものと新しいものがちょうどいい具合に混ざり合って、カメラをぶら下げで歩くのにとても楽しい街です。その楽しい気分をさらに高めてくれるのが、上田電鉄別所線に乗りことこと揺られて30分、終点の別所温泉です。
約20件あるという温泉宿には泊まったことはありませんが、外湯が3箇所（石湯、大師湯、大湯）あって、日帰りでも十分楽しめます。特に石湯は「真田幸村隠しの湯」と言われ、「真田太平記」の池波正太郎の筆による石碑が建てられています。
ちょっと熱めのお湯で体が温まったあとには、北向観音にお参りを。825年に開創された寺院で、南向きに建てられている善光寺と向かい合うように北向きに建てられています。北向観音は千手観音菩薩を本尊として現世利益を願い、善光寺は阿弥陀如来を本尊として未来往生を願うとされ、現在と未来のどちらか片方（片詣り）ではなく両方をお詣りした方が良いと言われています。
今月の一枚を撮影したのは12月の下旬。地元の野球部員（20人くらい）が白い息を吐きながらランニングしていたので、それをやり過ごそうとしていたら部員たちがこちらに挨拶をしてくれました。外湯では、小学校低学年くらいの男の子が「こんにちは！」と声をかけてくれました。そんなことがとても心を暖かくしてくれるいい旅でした。