旅先、街角のスナップ（11）

紅葉。金沢卯辰山のと或る寺院での一風景です。この時期、のんびりとカメラ片手に散歩を楽しみたいところですが、ここ数年はそうはいかず、もっぱら写真展（グループ展）の準備に追われる季節となってしまいました。アートの秋、と申しておきましょうか。
毎年11月、ライカで撮影した写真を展示するという、「ライカ縛り」をルールとしたちょっと変わったグループ展に参加しています。例年参加メンバーは9-10人、2-3mの壁面を使って思い思いの作品を並べます。ライカといえば銀塩カメラというイメージが強いと思いますが、今はライカもデジタルが主流です。撮影データは自宅のパソコンで現像処理し（いくつか汎用のソフトウエアがあります）、プリントも自宅のインクジェットプリンターで行います。納得できる作品に仕上げるにはかなりのインクを浪費しますが、プリンターの性能の向上ぶりは大変なもので、展示作品を銀塩プリントと見間違える方もいらっしゃるほどです。また印刷する紙も様々な種類があり、値段もピンキリで、設営ぎりぎりまで楽しく？頭を悩ませてくれます。
展示内容にある程度の統一感を持たせるため、テーマを決めています。一昨年は「水」、昨年は「旅」でした。このテーマはメンバー全員で決めるのですが、あまりに狭く絞ってしまって撮りにくくなっても困りますし、かといって何でもあり、ではまとまりがない。テーマ決めはなかなか難しいものです。
今年のテーマは「影・蔭・翳」。私自身はかなり苦しんだテーマでしたが、メンバーはどう解釈し作品を仕上げたのか、はたまた観て下さる方の反応は…。本番は楽しみでもあり、かつ恐ろしくもあるのです。