2016年8月号(第62巻8号)

旅先、街角のスナップ(8)

機材:LEICA X2

瀬戸内海に浮かぶ小島、豊島(てしま)から眺める海。水平線に重なるテトラポットの規則的な並びはアートのようにも見え、空と海を繋いでいます。
豊島には、瀬戸内国際芸術祭が初めて開催された2010年に開館した世界的に有名な「豊島美術館」があります。広大な敷地の一角に半分埋まっているような巨大な水滴に似た白い建築物は建築家西沢立衛氏によるもので、その内部では床の至るところから水が湧き出し、一日を通して泉が生まれる「母型」(アーティスト・内藤礼氏)が展示されています。
展示と書きましたが、見るというよりは感じる空間です。天井に2つ開口部があって天候や時間によっても内部の表情は変わります。ちなみに、私は1時間くらい床に座ってぼーっとしていました。
内部の撮影が禁止なこともあってなかなか文章に起こしにくい不思議な空間ですが、私的には3本の指に入る大好きな美術館です。公式HP等をご覧になってみてください。
アート作品がかなり充実してきた豊島は見どころがたくさんあります。豊島美術館に行かれる際には、ぜひ時間的余裕をもってゆっくりされることをお勧めします。

写真とエッセイ  水地 大輔

<所属>
東京逓信病院 血液内科医長 医学博士

<略歴>
1994年 群馬大学医学部卒業、東京医科歯科大学第一内科入局
2004年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科修了
2005年 東京医科歯科大学血液内科助手
??? 同年10月より現職

<主な展示>
・個展
「ordinary days」神楽坂 キイトス茶房(2008年)
・主なグループ展
「水」渋谷 ギャラリールデコ(2014年)
「旅ライカ」渋谷 ギャラリールデコ(2015年)他