2018年5月号(第64巻5号)

〇5月といえば若葉の季節-。春の精が初夏を迎える準備に励んでくれたおかげで、冬の精はどこを探してももう見つからない。どっしりとした年老いた街路樹も、微風になびくけなげな草花でさえも、すっかり安心した様子で若葉を伸ばし、精一杯日差しを浴びている。
〇全てのものを祝福するような、明るい光と生気に満ちたこの季節に、本誌「モダンメディア」も通巻750号を迎えることができました。
これもひとえに、本誌をご愛読くださり、変わらぬご支援をいただいております読者の皆様、ご多忙のなか記事のご執筆や座談会での語り手をお引き受けくださり、有用な情報をご提供いただいております先生方、「新版 全国衛生研究所」等の取材でご協力いただいている皆様、そして本誌を育み、いつも見守ってくださっている歴代の編集委員の先生方のご支援のおかげと、深く感謝しております。
また、常にわれわれ編集事務局と一体となって、限られた時間の中で精一杯の仕事をしてくださっている、製作にかかわるスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。
〇1955年の創刊号は、物資に乏しい時代に誕生したせいか、紙面はざらざらとして質が悪く、今ではすっかり茶褐色に変色して、文字を読むのもやっとになってしまいました。サイズも今の半分のA5版で、ページ数もわずかで薄っぺらなので、これを半分に折り、定型封筒に入れて発送していたようです。
お世辞にも立派な冊子とはいえませんが、そこに残されている言葉のひとつひとつからは、これからはこの冊子を通じて、皆で知恵と見識を分け合い、育て、育てられていこうという、まるで親兄弟や親しい者同志で響きあうようなあたたかい思いが伝わってくるように思います。
創刊号からの記事の数をあらためて数えてみたところ、5,800編を優に超えておりました。恐らく、ここ2-3年のうちには6,000編をも超えることでしょう。
色褪せた誌面をものともしない創刊号にこめられた思いを、今も皆様で共有されているからこそ、ここまで続けてこられたのだと実感しております。そしてまた、この膨大な数の記事をお届けするべく、私ども事務局が微力ながらお手伝いをさせていただいていることを光栄に感じています。
750号をひとつの節目として、事務局一同、さらなる努力を積み重ねてまいる所存です。どうかこれからも変わらぬご支援をたまわりますようお願い申し上げます。

(大森圭子)