2014年3月号(第60巻3号)

〇寒暖を繰り返しながら春へと向かう季節もようやくゴールに到達し、気がつけば日射しは明るい。色とりどりの花達は、それぞれに与えられた場所で満ち足りた面持ちでのびのびと揺らぎ、柔らかな木々の葉はまだ少し心細そうに春風にそよぎ、あちこちにお辞儀を繰り返している。
何か良いことが始まりそうなこの季節に、本誌が通巻700号を迎えられ、新たな一歩を踏み出せたことはこのうえない喜びです。
〇あらためまして、本誌にいつもあたたかいご支援をいただいております読者の皆様、記事の作成と本誌の発行にご尽力いただいているご執筆者、取材にご協力いただいた先生方、歴代の編集委員の先生方に衷心より厚く御礼申し上げます。
そして、奇しくも本記念号の発行と時期を同じくして、編集委員としての10年の任期を終え、退任の時期を迎えられた第5代目編集委員の岩本愛吉先生(東京大学医科学研究所)、河島尚志先生(東京医科大学)、熊坂一成先生(上尾中央総合病院)、林谷秀樹先生(東京農工大学大学院)の4名の先生には、ご多忙のなか大変長い間、本誌の編集にご注力いただいたことに深く感謝申し上げます。
また、いつも最善を尽くして対応してくださるデザイン、製版、印刷、製本、発送に関わるスタッフの皆様にもこの機会を借りて御礼申し上げます。
〇本号は、特集の1と2をあわせた総合ページ数が90ページにもなり、通常の本誌の3冊分もあろうかと思われる厚さになりました。お忙しい先生方にご無理をお願いしましたが、快くご協力をたまわり、表紙1ページの山口英世先生の新・医真菌シリーズに始まり、表紙4ページの照屋純先生の随筆に至るまで、貴重な情報とあたたかい想いが沢山詰まった1冊の本が完成しました。

人生は人間が共同で利用するぶどう畑です。
一緒に栽培して、ともに収穫するのです。
(フランスの作家 ロマン・ロランの言葉)

本誌は60年の長きに亘り、皆様が力をあわせて作り育ててきた学術情報誌です。皆様のご協力で、沢山の方々のふれあいの場として本誌があり続けられる幸せにいつも感謝しながら、わたくしもそのメンバーの一人として編集の仕事に携わっていきたいと思っております。
モダンメディアが、いつも皆様の傍らに寄り添う応援団のような冊子でありますよう、これからもかわらぬご支援、ご指導をいただきますようお願い申し上げます。

(大森圭子)