2007年8月号(第53巻8号)

〇まばゆいほどの夏の盛りは短く、このところぐずぐずとした曇天が続いている。この夏は長い梅雨が明けた途端、目を疑うほどの厳しい猛暑が襲来した。ついにお盆明けの8月16日には、埼玉県(熊谷)ならびに岐阜県(多治見)で最高気温が40.9度まで上昇し、1933年7月25日以来保持されていた山形県(山形市)の40.8度の公式記録をわずかに上回り、観測史上1位の記録が更新された。およそ74年振りの更新ということからも、これがどのくらい凄いことなのかよく分かる。

このことであらためて気象庁のホームページで各地の最高気温をみてみると、常夏のイメージがある沖縄県では、海洋性気候で最高最低気温の較差が少なく、県内の観測史上1位の値は日最高気温で36.0度(伊原間)と意外にも低いことに驚かされた。美しい景色や海からのマイナスイオン効果など、癒しの効果も高い沖縄がますます羨ましい。

昼間の熱を吸収してしまうものが多い都会では、日中暑ければ夜になってもなかなか気温が下がらず、どれだけ寝苦しい熱帯夜があったかわからない。しかし、大人になっても夏休みは特別なものである。あれだけの暑さに閉口しながらも、夏とのお別れが近づく頃になるとさびしさを感じるものである。

〇独立行政法人放射線医学総合研究所 重粒子センター病院の江澤英史先生にご企画いただき、今月号 から「画像診断と死亡時医学検索」シリーズが始まりました。画像診断に関して、ご専門の先生方に詳しくご紹介いただく予定です。どうぞご期待ください。

(大森圭子)