2005年11月号(第51巻11号)

1955年8月の創刊号から本号までの発刊をもって『モダンメディア』は通巻600号を数えました。これもひとえに皆様からのあたたかいご支援のおかげと深く感謝いたしております。誌面上ではございますが,通巻600号を記念して,ご多用中にもかかわりませず座談会「検査室から個人と地域」にご出席いただいた先生方,記念号に寄せて随筆をご執筆いただいた編集委員の先生方に厚く御礼申し上げますとともに,これまでの長い年月,本誌を支え育んでくださった読者の皆様,記事のご執筆や座談会などでお世話になりました先生方,歴代の編集委員の先生方,私の我儘な注文に翻弄されつつも一生懸命本誌を製作してくださるスタッフの方々へ心より御礼申し上げます。
どうかこれからも本誌へのご支援をたまわりますようよろしくお願い申し上げます。

本誌の長い歴史のなかで,幾つかの節目に特集が組まれている。誌面の都合上全てはご紹介できないが,100号ごとに追ってみる。まず通巻100号[第10巻(1964)2号]では,2号にまたがり特集が組まれている。99号には「衛生検査技師の方のための病原微生物学(総論)」,100号には特集Ⅰ「病院検査室での細菌検査」,特集Ⅱ「座談会 モダンメディアの誕生から100号まで」と,膿の検査に関していかなる菌が含まれているかなどを当てる“モダンメディア100号記念 大懸賞コロニークイズ”,さらに初代編集委員の佐々木正五先生の「百号記念」の随筆が掲載されている。通巻200号[第18巻(1972)7号]では,〈創刊号,通巻50号,100号,150号〉の表紙を組み合わせてデザイン化した写真が表紙を飾り,続いて当時の編集委員長 春田三佐夫先生による「200号記念によせて」の文と「座談会 臨床検査よもやま話」が掲載されている。通巻300号[第26巻(1980)]は通常のスタイルであるが,同年8号が「創刊25周年記念」にあたることから,これとあわせた形で8号のほうにバックナンバーの表紙集や「座談会“モダンメディア”25年のあゆみと21世紀への展望」が掲載されている。通巻400号[第35巻(1989)3号]では,当時の人気表紙シリーズ「医真菌検査シリーズ」の特別篇として「コンピュータ・グラフィックスによる出芽酵母細胞三次元構造の再構築」のカラフルな写真が掲載され,また,初代,第2代編集委員の先生方に「モダンメディアの想い出」として文を寄せていただいている。通巻500号[第43巻(1997)8号]では,すでに判がA5→A4と大きくなり,特集「わが国の臨床病理学」をテーマに10編の記事と初代編集委員の先生方のエッセイが掲載されている。簡単に紹介しただけでもこれほどの文字数になったが,このほかにも50号ごとの記念号や継続年数を記念した記事なども多くあり,それぞれの節目節目に様々な趣向がこらされている。これらからは時代の背景をうかがい知ることも出来て大変興味深い貴重な資料である。

(大森圭子)