2004年8月号(第50巻8号)

〇『モダンメディア』の創刊号が1955年8月に発行されてから長い年月が経過し,おかげをもちまして本号にて発刊50年目を迎える運びとなりました。いつも本誌を支え,育んでくださる読者の皆様,ご執筆者の皆様,編集委員の皆様,製作に携るスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

〇すでにお気づきのことと思いますが,本号は発刊50年を記念した特別企画号となっております。記念座談会では,万端お繰り合わせいただき錚々たる方々にお集まりいたただいて「臨床検査の現状と課題」をテーマに貴重なご意見をお聞かせいただきました。また,モダンメディアを誕生させ,その礎を築いてくださった初代編集委員の方々に本誌に因んだエッセイをご執筆いただきました。さらに,私の初めての上司である8代目編集人(現在は17代目)に無理を言って裏表紙の随筆をご執筆いただきました。 皆様にはご高配をたまわり,誠にありがとうございました。

〇発刊50年の記念に「創刊号」の復刻版を作製いたしました。編集室に保管されている創刊号は僅か2部。当時の紙は悪く,ざらざらとした質感ですっかり茶褐色に変色しております。風化するのも時間の問題と危ぶんでおりましたが,上等な紙で復刻版を作製し安堵しております。また,ささやかではございますが,粗品を同封いたしました。どちらもご愛用いただければ幸いです。

〇本誌や記念品に登場するマークもこのたびの発刊50年を機に制作いたしました。本誌創刊の発案者である大塚さんが第3巻で新設された読者欄「北から南から」というシリーズに燕のイラストが添えられていたことをきっかけに燕をモチーフにいたしました。口にくわえているタンポポの種子は,本誌に収められた情報を表しています。我が国の北から南から,そして海外の読者の皆様に広くお届けし,そこで花開きますようにとの思いをこめました。オスカー・ワイルド作「幸福の王子」の燕は,王子の願いで王子を飾っていた宝石や金箔をかいがいしく運びましたが,私どもも情報を運ぶ燕になったつもりで,少しでも皆様のお手伝いができるよう,力を尽くしてまいりたいと存じます。 どうか今後とも変わらぬご指導,ご支援のほどお願い申し上げます。

(大森圭子)