2026年6月号(第72巻6号)

 皆さん、こんにちは。
 6月に入りました。先日の台風6 号では、全国各地で大雨となりました。皆さんのお住まいの地域に大きな被害がなかったことを願っております。今年は台風の発生が例年より多いとニュースで聞きましたが、ちょうど5月29日からは、新たな防災気象情報の運用も始まりました。大雨・河川氾濫・土砂災害・高潮の4 種類について、5 段階の警戒レベルに応じた情報へと整理され、数字で危険度が示されることで、これまで以上に状況を把握しやすくなったように思います。
 さて、台風の増加も地球温暖化や気候変動の影響の一端といわれていますが、今年の世界環境デーのテーマは「A Global Call for Climate Action(気候危機への対策とレジリエンス)」です。昨年このコーナーで、我が家でのプラスチック(ペットボトル)削減の取り組みとして、炭酸水メーカーを導入し、ペットボトルの使用を大きく減らせたことを書きました。ところが今年は、春頃からナフサ不足が話題となり、今度はプラスチック製品そのものの供給が不安定になるという、別のかたちでその存在を意識することになりました。
 恥ずかしながら、私自身この「ナフサ」という言葉を今回初めて意識しました。ナフサは原油を精製する過程で得られる軽質の石油製品で、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品に分解され、プラスチックや塗料をはじめ、私たちの暮らしを支えるさまざまな製品の原料になります。普段何気なく使っている多くのものが、こうした素材から成り立っていることを実感します。
 日本ではエチレン生産原料の約95%をナフサに依存しているとされ、その供給が不安定になると、暮らしや産業の広い範囲に影響が及びます。米国ではエタン、欧州ではLPGや天然ガス由来の原料も活用されているとされ、日本のナフサ依存の大きさをあらためて感じました。今回の供給不安は、中東情勢の混乱が私たちの日常と決して無関係ではないことを教えてくれたように思います。
 気候危機への対策とレジリエンスというテーマは、防災の備えだけでなく、資源や供給のあり方を見つめ直すことにもつながっているのかもしれません。供給不足に必要以上にパニックにならず、身近な暮らしの仕組みに目を向けつつ、1日も早く状況が落ち着くことを願っています。

(美濃部 さやか)