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2026年6月号(第72巻6号)
コジュケイは、ハトと同じほどの大きさで、やや丸みを帯びた愛らしい姿をしています。初夏の森から響く「チョットコイ、チョットコイ」と聞こえる鳴き声は、季節の移ろいをそっと告げてくれるようです。
けれども、この愛らしい鳥は、もともと日本の自然に生息していた種ではありません。台湾からペットとして移入され、百年以上前に飼育個体が逃げ出したことをきっかけに、野外に定着した外来種です。このように海外から持ち込まれ、野生化した鳥は「かご抜け」とも呼ばれます。コジュケイのほかにも、ガビチョウやソウシチョウなどが知られ、いまでは身近な環境でごく普通に見られる存在となっています。
一方で、ガビチョウやソウシチョウは、日本の生態系に影響を及ぼすおそれがあるとして特定外来生物に指定され、駆除の対象となっています。コジュケイは、その指定こそ受けていないものの狩猟鳥とされ、冬には捕獲が認められています。人間の都合で連れてこられ、人間の都合によって数を調整される―そこには、人間の身勝手ともいえる構図が透けて見えます。
外来種と聞くと、ヒアリやカミツキガメのような危険生物が思い浮かび、「駆除すべきもの」という単純な図式で語られがちです。確かに侵入初期であれば、駆除は有効な手段となり得ます。しかし、いったん定着してしまった生物を排除するのは容易ではありません。多大な費用と労力を要するだけでなく、生態系全体に思わぬ影響を及ぼす可能性もあります。
私たち人間による生態系への干渉の結果は、容易に元へ戻せるものではなく、その影響を抑えるにも莫大な労力を必要とします。コジュケイの愛らしい姿を目にするたび、外来種問題のもつ複雑さに胸を突かれます。自然は人の手で簡単に作り替えられるものではありません。だからこそ、その関わり方には、いっそう慎重であり続けなければならないのでしょう。
<所属>
獣医師 日本毒性病理学会認定病理学専門家
テルモ(株)R&Dテクニカルアドバイザー
<プロフィール>
テルモ湘南センター 元主席研究員
テルモバイオリサーチセンター 元センター長
人工血管、ステント、イメージングデバイスなど、種々の医療機器の研究開発に従事。
写真は20代の初めの頃、当時お世話になっていた国立衛生研究所の室長に薦められて。モチーフは主に風景と鳥。
記憶している最初のカメラは、キャノンEOSシリーズの1号機、EOS650。
現在使っているカメラはNIKONで、購入したのはつい最近のこと。
それまで使っていたカメラとレンズ資産を手放して購入し、現在は望遠レンズ購入を検討している。
撮影のモットーとしては、デジタルカメラで撮影の際は、多少ピントが甘くても、その瞬間を逃さずシャッターを切ることが大事だと思っている。