2023年8月号(第69巻8号)

 みなさん、こんにちは。
 今年のお盆はいかがお過ごしでしたでしょうか。ちょうど後記を書いている際、台風到来で新幹線が東京から博多までが一時全休という事態に見舞われました。せっかくの休暇も最後に大変な思いをされた方もいらっしゃったのではないでしょうか。こういったことが起きると、あらためて普段時間通りに動いている新幹線で、どれだけの多くの人を運んでいるのか思い知らされます。科学技術が発達した現在でも、台風などの自然災害を前にすると人は無力で、打撃を受けざるを得ないと感じています。
 さて、前号に引き続き台湾訪問の後半になります。前半は台南観光、グルメを十分堪能し、台北に戻るところまで書きました。無事台北に到着し、蔡英文総統をはじめとする多くの要人が宿泊するホテル、圓山大飯店に宿泊しました。歴史のあるホテルで、台湾の多くのイベントが開催されているようです。夕食の北京宮廷料理のレストランに向かう途中、同行者と地下鉄で離ればなれになるというトラブルはありましたが、無事合流し、おいしい食事をとることができました。
 次の日は台北の寺院や現地のタクシー運転手に薦められたパイナップルケーキの店を訪れました。台湾には街中のいたるところに寺院があるのですが、日本とは違い建物の中に多くの神像が祀られており、現地の人はお祈りする目的の神像に合わせて参拝していました。また、見慣れない景色は台湾式のおみくじです。まずは神様にお伺いを立てて、筊(こう=三日月形の赤い木片)を2つ手に取って投げ、出た目が表と裏なら引いてよし、というもののようです。このおみくじのチャンスは3回までということで、全員が引けるわけではないことを、帰国後初めて知りました。参拝者は神妙な表情で何回も筊を投げており、派手な装飾の外観とは別に現地の人々の熱い信仰を感じました。そして午後からはお待ちかねの九份観光です。九份はジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルとされ、その昔は金鉱で発展した街だそうです。台湾北部の山あいに位置するため、観光ガイドの王さんによれば九份は365日のうち、300日くらいが雨だそうで「皆さん、とてもラッキーですよ!」と話されていましたが、撮影スポットで有名な阿妹茶樓前で撮影を始める頃、雨が突然降ってきました。傘をささず濡れながらの撮影でした。そして九份に到着する頃、連日の暑さと食べ過ぎ(飲みすぎ)のせいか熱中症のような状態で苦しみましたが、阿妹茶樓で休憩したことで体力を回復し、何とか観光をすることができました。やがて雨も上がり、夕暮れにはランタンが灯り、ノスタルジックな風景を撮影することができました。最終日はホテルを探索した後、故宮博物館でかの有名な肉形石と翠玉白菜を見る予定でしたが、肉形石は見れたものの、残念ながら翠玉白菜は貸出中で見ることができず、代わりに熊の彫刻2対を鑑賞しました。
 帰路は、出国前から心配していた日本に接近する台風の進路が幸い足踏みをしていたため、無事飛行機が飛び、帰ることができました。3 泊4 日の短い旅でしたが、コロナ後初の楽しい海外旅行でした。
皆さまには2 回に渡り旅行記にお付き合いいただき、ありがとうございました。

(美濃部 さやか)