2023年4月号(第69巻4号)

 みなさん、こんにちは。
 4 月に入り、東京では夏日になる日もありましたが、東北では桜が開花する前に真夏日を迎えました。5 月の連休には花粉もおさまり、気候も良くなってきますので、快適に過ごせるようになりますが、これから暑くなる季節は熱中症には気をつけたいと思います。
 さて、今月はおよそ1 年ぶりになりますが、お茶のお稽古を再開しました。以前習っていた教室の先生の事情により、教室をお休みすることになったので、同じ流派 (江戸千家) の先生の元に通うことになりました。江戸千家は聞きなれない方も多いと思いますが、川上不白( 享保四年~文化四年、九十歳)が初代であり、紀州出身の不白は、紀伊藩江戸詰家老水野家の家臣として江戸に出ました。当時の将軍であった徳川吉宗の紀伊の勢力をもとに、京都へ茶の湯の修業に出て、表千家の七代如心斎の元で修業を重ねて、千家流の茶人になりました。その後、千家の茶の系譜は、代々受け継がれ、時を超え、大正、昭和に東京を中心として盛んになりました。
 もともとお茶は習いたいと思っていましたが、『日日是好日-「お茶」がおしえてくれた15 の幸せ-』(森下典子さん) の本を読んだことをきっかけにして、より強く習いたいと思うようになりました。数年前には映画にもなり、御覧になられた方もいると思いますが、今は亡き樹木希林さんが先生役として出演されていて話題になりました。習いはじめて数年経ちましたが、一度として同じお点前はないため、完成にはほど遠く、一生到達することはないと毎回感じます。詳細は省略しますが、同じお点前がないというのは、お点前には大きく冬点前と夏点前があり、茶室、お道具および客が変わることでお点前が変わるためです。季節に合わせて1 年に一度しか行わないお稽古もあり、毎年お点前を忘れてしまいます。習いはじめの頃は色々な所作の理由が分からず、毎回聞いていましたが、ここ数年はひととおり型を身につけようと思いお茶を点てています。
 1 年ぶりのお稽古は教室も先生も変わりましたが、少しずつ感覚を取り戻せていければと思います。初回のお稽古で先生が選ばれた掛け軸は 「和 (なごみ)」、これから仲良くやっていきましょうという気持ちを込めたとお話されていました。これからもお稽古を通して季節を感じ、お茶の世界を味わいたいと思います。

(美濃部 さやか)