2023年4月号(第69巻4号)

日本の四季彩巡り(4)

白石川堤一目千本桜と蔵王の競演

撮影地:
宮城県
大河原町
蔵王連峰、一目千本桜

 宮城県の仙台の南方にある白石川は東西に伸びて太平洋に注ぎ、その途中にある大河原町の白石川堤にソメイヨシノを中心とした延々と伸びる桜並木があり、一目千本桜として町民に愛されている。一目千本桜は1923 年に大河原出身の実業家により植樹が開始され、今年は植樹100 周年を迎え、記念ロゴマークが選定されている。この桜は荘厳な白い残雪に被われた蔵王連峰を背景とし、白石川の澄んだ青色、千本桜の華麗な淡紅色、これらの三層が織りなす景色はこの地でしか見ることのできない絶景である。仙台に前泊し、レンタカーでまだ日が昇る前に当地に着き、満開のさくらが朝陽でピンクに染まる時期を待った。今日は快晴で風も無く、川面は凪で蔵王連峰の残雪のリフレクションを撮ることができた。長年待ち望んでいた最高の瞬間である。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。