2023年3月号(第69巻3号)

 みなさん、こんにちは。3 月に入り、例年より早く桜が開花しました。今年はコロナで開催されていなかったお花見も解禁されるところが多く、開花が早いので、お花見の時期も前倒しになりそうです。3月は卒業式の季節でもありますが、今年はマスクの着用が話題になっています。個人の判断に委ねるところや、学校の方針で統一するなど様々なようです。
 今月は何を書こうかと思いましたが、3 月 8 日は国際女性デーでした。最近よく耳にするので、制定されて間もないものかと思っていましたが、調べると国際婦人年の 1975 年 3 月 8 日が由来であることを知りました。また、この国際女性デーとミモザがセットになっていることについて、イタリアで国際女性デー付近の 2 ~ 3 月にミモザの季節がやってきて、ミモザを贈る風習が広まった可能性が考えられるということです。日本ではミモザの製品が売られていますが、今後、ミモザの花を贈る習慣も定着するかもしれません。
 さて、国際女性デーと直接関係ないのですが、女性というテーマにちなんで、先日女性のみの出演者からなる落語協会主催の「桃組公演」を見に行きました。以前、浅草演芸場の寄席に行った話を書かせてもらいましたが、同じく演芸場で開催され、蝶花楼桃花師匠を夜の部主任とした、落語、漫才、講談、曲芸、マジックなどが女性演者だけで行われる「江戸落語の定席では初」の興行になります。
 桃花師匠といえば、笑点の新メンバーに選ばれるか否かで話題になりました。結局、春風亭一之輔師匠が選ばれ、男性ファンはさぞかしがっかりされたことでしょう。客席もコアな男性ファンがたくさんいらっしゃいました。桃花師匠は落語の道に入られて 15 年で真打に昇進し、落語協会の女性で 10 人目になります。同じ年代の友人が結婚や子どもを出産しているというのに自分は熊さん、八っつぁんで何をやっているのやら…と話をしていたのが印象的で自分も共感しました。男性が多い落語の世界で真打に昇進するのはさぞかし大変だったことでしょう。桃花師匠の落語は初めて聞きましたが、トリの落語「お見立て」は花魁と客である侍を見事に演じ分けていて、聞き入りました。そして今回の興行では漫才のすず風にゃん子・金魚(知らない方ごめんなさい)のトリビュート漫才では突き抜けた漫才を見せてくれました。長年芸を磨き続けている女性の先輩方が心の支えとなっており、すず風にゃん子・金魚をリスペクトし、トリビュート漫才を行うことにしたということでした。女性だけの演者からなるというものの、林家たい平師匠が女装して高座返しをされるなど(紹介があるまで誰かわからず会場はざわついていました)、優しい先輩の粋なはからいも素晴らしかったです。
 ほぼ桃花師匠のことだけしか触れられず残念ですが、その他の演者についても、芸を磨かれている方ばかりで楽しい時間を過ごしました。それではそろそろ紙面も少なくなりましたので、本日はこの辺りでおしまいにいたします。

(美濃部 さやか)