2022年9月号(第68巻9号)

 みなさん、こんにちは。先月編集後記を書いたと思ったら、もう今月も終わりに近づいており、一か月の早さを感じています。9 月も終わりに近づき、最近はすっかり涼しくなりました。
 先月で奈良信雄先生の 「世界の医学部を巡って」が追加編も含め22 回でいったんお休みに入りました。楽しみにされていた読者の方も多いと思いますが、新型コロナウイルスが収まった後には、シリーズが再開されるのを心待ちにしたいと思います。
 さて、今月はこれまで行きたくてもなかなか行くことができなかった浅草演芸場にようやく行くことができたことを書きたいと思います。家から徒歩で行ける距離に浅草演芸場はありますが、9 月の上席(毎月1 日から10 日迄) を見ることができました。
 夜の部の約3 時間にわたり観覧しましたが、落語の合間には 「色物」 と呼ばれるマジックや漫才、紙切り、三味線の公演もあり、飽きることなくあっという間に終わってしまいました。落語は知り合いで落語をされる方もあり、これまで何回か聞く機会がありました。大きな会場であれば鈴本演芸場や渋谷落語などを聞きに行ったこともあるのですが、渋谷の若手中心の噺家さんの公演に対し、浅草は若い方も含めベテランの噺家さんも多いようです。当日のトリは柳家さん喬師匠の 「唐茄子屋政談」 (スペースの関係で詳しい話は割愛させていただきます) で、初めて聞く人情噺でした。その他にも、ご存知の方も多いと思われる 「お菊の皿」、「鮑のし」などの演目がありました。個人的には相撲を見ることもあり、元力士の三遊亭武蔵の「支度部屋外伝」の演目が相撲界の話題が盛りだくさんで面白かったです。
 会場で見る面白さは、やはり観客と演者の一体感に尽きると言えます。噺家さんを含む演者の方の話やパフォーマンスに会場がどっと沸き、皆が同じ思いで笑っていると思うと、しばらく味わうことのなかった一体感に嬉しい気持ちになりました。最近はコロナ禍で気持ちを共有することが難しかった状況が、少しずつ解除されてきており、また演芸場も満員になる日も近いでしょう。元気なときはもちろんのこと、少し元気がないときに演芸場を訪れ、明るい気持ちになるのはいかがでしょうか。

(美濃部 さやか)