通巻800号記念特集号 2022年7月号(第68巻7号)

○本誌は、今月号をもって通巻800 号を迎えることができました。本誌が培地専門の学術情報誌として歩み始めたのは今から67 年前のこと、いまでは多岐にわたる領域の話題を収載しています。創刊号の「発刊の言葉」( 1955年 8 月号) には、「 いささかなりとも斯界に貢献する所があれば幸である。…何とぞ本誌育成のため諸賢の絶大なる御援助を御願いする次第である。」 とあります。また、発刊 50年( 2004年8 月) を記念して書いていただいた初代編集委員・佐々木正五先生のエッセイ「 発刊 50年によせて」 には、「本誌の歴史は、多くの人々の善意と努力に支えられ今日の姿に育ったことは、ご同慶の至りであって、今後更なる展開を期待したい。」 の言葉が残されています。
 通巻750 号 (2018 年5 月号) の編集後記に、これまでに5,800 編を優に超える記事が収載されていることを書かせていただきましたが、ここから4 年を超える月日が経ち、さらに来月号からの新たな歩みによって、時代を超えて受け継がれるべき有用な情報がこれからも本誌に蓄えられていくことと思います。創刊号や佐々木先生のエッセイに残された言葉のとおり、本誌は、皆様の御援助・御支援をなくしては今日という日を迎えられるはずもなく、読者の皆様、ご企画、ご執筆、座談会、取材等でお世話になっている方々、制作、印刷、発送等々、夫々のお立場にいらっしゃる多くの方々からの支えがあってこそ、長年にわたって育まれ続けてきた今の本誌の姿があります。編集事務局としてあらためて感謝申し上げますとともに、今後とも本誌への変わらぬご支援をたまわりますようお願い申し上げます。
○時の経つ早さを示すとき、「光陰矢の如し」 とはよく使われることわざですが、ほかにも 「歳月 (時節) 流るゝ如し」、「歳月人を待たず」、「烏兎怱怱」など同様の意味を持つことわざが多く存在します。
まるで先人たちが、“時間とは、こちらの都合にお構いなくあっという間に過ぎるものだよ、これからは時間を無駄にしないように心掛けなさい”と口を酸っぱくして教えてくれているようです。
 得てして後悔を伴うシーンで使われることが多いのですが、過ぎていった時の早さを思うとき、それは、過ぎていった時の流れをたぐり寄せ、その間に起こった様々な出来事を思うときでもあります。
 私事で恐縮でございますが、退職の時期が近づきましたため、本欄執筆の担当も本号を最後に後任に引き継ぐことになりました。時の経つ早さを少々恨めしく思いながら、皆様に支えていただいた日々のことが様々思い出され、感謝の念に堪えません。本当に有難うございました。
 末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

(大森圭子)