2020年12月号(第66巻12号)

〇新型コロナウイルス感染症の影響により大きなダメージを受けた今年、昨年の今頃は、このような年末を迎えるとは予想すらしておりませんでした。
 コロナ禍が長引くなかで、読者の皆様の中には、心身ともに限界を超え、働いておられる方も沢山いらっしゃることと思います。感染者を救おうと医療の最前線で身を挺して懸命に闘ってくださっている皆様、人々の暮らしと健康を守るため、感染防止対策に取り組み、感染防止のための知識や行動の周知と啓発に力を尽くしてくださっている皆様、また、さまざまなお立場において、感染防止に努めていらっしゃる皆様に心からの敬意と感謝申し上げます。
〇このようななかで私ができることは、まずは自分の身を守ること。消毒薬やマスクが入手困難であった頃は、そこから生じた危機感が感染防止に努めようとする人々の背中を押していたことも少なからずあったと思えます。数えきれないほど色々な消毒薬とマスクがドラッグストアに溢れている今、無かったころの反動なのか、マスクと消毒さえしていれば大丈夫、のような安堵感もどこかで生まれてしまったようにも思います。その頃よりも感染が広がっている今こそ、少しのゆるみも許されないことを忘れずに、自分の行動が社会につながっていることを強く意識して、出来る限りの努力をしたいと思っております。
〇1 年のなかで最も昼間の時間が短い冬至、今年は12 月21 日がこれにあたる。古くから太陽の力が弱まると人々の運気も弱まるとされ、冬至を境に日が長くなり、この日を境に運気が強まるという意味合いから、別名を「一陽来復」という。運気を上げるためにかぼちゃを食べたり、柚湯に入ったりする風習はよく知られており、かぼちゃは、この時期まで保存がきき栄養があることのほかに、「運うん」の「ん」という字や、五十音の最後
の「ん」を折り返しとみて、「なんきん」の別名にあやかり、かぼちゃが選ばれたとも。柚は太陽に似ていることが理由の一つらしい。
 運気の効果はともあれ、先人から長きにわたり伝承されてきたこういった風習を大切に受け継ぐことは、親から何かを貰った時のようにあたたかく、心を落ち着かせてくれる特効薬であることは間違いない。
〇今年も1 年間、本誌をご支援いただきまして、誠に有難うございました。
 このような状況下で、例年どおり12 号を発行することができましたのも、ひとえに皆様のお力添えのおかげと、深く感謝しております。来年もどうか本誌へのご支援をたまわりますようお願い申し上げます。

(大森圭子)