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2026年9月号(第72巻9号)
モダンメディアは1955年の創刊以来、70年以上にわたり、臨床検査、感染症、公衆衛生をはじめとする医学・医療分野の情報を発信してきました。このたび通巻850 号という節目を迎え、編集長を拝命しましたことを大変光栄に思うとともに、その責任の重さを改めて感じています。
振り返りますと、本誌の節目ごとに、その時代を象徴する話題が記されてきました。前回の800号(2022年7月)は、2019年末に始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を経験し、ワクチンや治療薬の普及が進み始めた時代を反映したものでした。
では、その後850号を迎える2026年までは、どのような時代として記憶されるのでしょうか。2024年にはエムポックスに対してWHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)を再宣言しました。その後も、国内では麻疹の流行や侵襲性A群溶血性レンサ球菌感染症(iGAS)の増加が注目されました。また、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の増加を背景に、One Healthや気候変動と感染症との関係についても議論が深まりました。さらに2026年には、Bundibugyoウイルスによるエボラ病流行を受けてWHO事務局長がPHEICに該当すると判断したなど、新興・再興感染症への警戒は続いています。COVID-19を経験した後も、感染症は決して過去の問題ではないことを、私たちは改めて実感しています。
一方で、COVID-19を契機に、遺伝子検査、multiplexPCR、ゲノム解析技術は急速に普及し、診断のあり方も大きく変わりつつあります。さらに、医療分野では人工知能(AI)の活用も急速に進んだことで、診療、研究、さらには臨床検査のあり方も変わりつつあります。
このような時代だからこそ、モダンメディアには、最新の知見を伝えるだけでなく、その時代に何が起こり、何が課題であったのかを記録し、後世に伝えていく役割もあるのではないかと感じています。
編集委員長として、その思いを大切にしながら、読者の皆様に「読んでよかった」と感じていただける誌面づくりを、編集委員の先生方や編集部の方々とともに進めてまいります。