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2026年9月号(第72巻9号)
日本で広く見られるツバメは、「ツバメ」「イワツバメ」「コシアカツバメ」の3 種とされます。今回の写真はイワツバメで、冬を越えたばかりの田んぼの上を盛んに飛び回り、葉や草の根を集めて熱心に巣作りに励む姿を何とか撮影しました。
『モダンメディア』のシンボルマークが「巣材をくわえたツバメ」であることから、本シリーズの開始当初より、編集長から「いつかはツバメを」とのリクエストをいただいていました。9月号が通巻850 号の記念号という節目を迎えるにあたり、その念願をようやく形にすることとなりました。
言い訳の謗(そし)りは免れませんが、ツバメの飛行速度は時速40~50kmに達すると言われます。しかも体長13㎝と非常に小さく、素早く飛行しながら空中で突如方向転換や加減速を繰り返すため、それに追従してレンズに収めるのは至難の業でした。納得のいく1 枚が撮れぬまま時間切れとなり、この写真でご容赦いただいたというのが実情です。
写真は何とかなったものの、エッセイの題材にはしばらく迷いました。そんな折、バーダーの大先輩から伺ったある話が脳裏をよぎりました。それは「かつて日本人はスズメやカラス、ツグミなどは日常的に食していたが、ツバメだけは口にしなかった」というものでした。
日本では宗教上の理由から肉食がタブー視されていましたが、鳥類だけは例外的に許容されていたようです。ただしツバメは別格で、農作物を守る「最強の益鳥」であり、幸運を運ぶ「神聖な鳥」でもありました。さらに、民家に巣を作ると「その家は繁栄する」「商売繁盛につながる」とされ、「吉兆の象徴」としても尊ばれてきたそうです。
日本人にとって、ツバメがこれほどまでに縁起の良い鳥であったとは、恥ずかしながら知りませんでした。だからこそ、この瑞祥(ずいしょう)にあやかり、『モダンメディア』と読者諸賢のますますのご隆盛を祈念したいと思います。
通巻850 号、誠におめでとうございます。
<所属>
獣医師 日本毒性病理学会認定病理学専門家
テルモ(株)R&Dテクニカルアドバイザー
<プロフィール>
テルモ湘南センター 元主席研究員
テルモバイオリサーチセンター 元センター長
人工血管、ステント、イメージングデバイスなど、種々の医療機器の研究開発に従事。
写真は20代の初めの頃、当時お世話になっていた国立衛生研究所の室長に薦められて。モチーフは主に風景と鳥。
記憶している最初のカメラは、キャノンEOSシリーズの1号機、EOS650。
現在使っているカメラはNIKONで、購入したのはつい最近のこと。
それまで使っていたカメラとレンズ資産を手放して購入し、現在は望遠レンズ購入を検討している。
撮影のモットーとしては、デジタルカメラで撮影の際は、多少ピントが甘くても、その瞬間を逃さずシャッターを切ることが大事だと思っている。