2019年6月号(第65巻6号)

日本の四季彩巡り(6)

大海原を見おろす紫陽花爛漫

撮影地:
宮崎県門川町
桃源郷岬 紫陽花

宮崎県、門川町にある「桃源郷岬」は6月になると80種、200万本の紫陽花が見事に咲き、その背景には大海原が広がり、天気のよい日には四国まで見渡せ、海と山の絶景と美しい花を一度に楽しめる日本でも有数な場所です。宮崎空港からレンタカーを借り北上して1時間半、日向灘に突き出た桃源郷岬近くの駐車場に着きます。海と紫陽花のコラボと言えば伊豆の下田が知られていますが、東京ドームの4つ分の広さをもつ岬の周辺にはこれでもかと言わんばかりに紫陽花が咲きそのスケールに圧倒されます。遊歩道に沿って進むと、海岸に向かう急な斜面に沿って、紫色、薄紫色、赤色、青色、黄色、白色の紫陽花が咲き誇り、沖合には小島が点々と浮かび、構図の中に入れるとアクセントになります。右下がりの斜面、左下がりの斜面に沿って咲く花の構図、花越しに小島を見おろす構図など様々な角度から撮れますが、今回は数種の美しい色合いからなる花越しの大海原を選びました。桃源郷の名の由来は紫陽花ばかりでなくジャカランダ、桃、蓮、ブーゲンビリアなど種々の季節の花が見事に咲くことからつけられたとのことです。特にこの時期、この場所は海をバックにした紫陽花の写真を撮ることができる絶景ポイントです。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。