2019年2月号(第65巻2号)

日本の四季彩巡り(2)

輝く金閣寺の雪景色

撮影地:
京都
金閣寺

冬の京都の風景で一度は撮りたいポイントは雪の金閣寺である。京都の冬は寒く、雪の降る日が多いと思われがちであるが、実際にひと冬に雪が降る日は5~6日、雪が積もり絵になる風景が撮れるのは1~2日である。いつ降るか長く待ち望んでいたところ、2月の土曜日、天気予報で今晩夜半から早朝にかけて降雪ありとの予報があり、明朝早く新幹線で行くことに決めた。金閣寺に雪が降ると京都の人々はもちろん、多くの旅行客が金閣寺に集まってくる。金閣寺の雪の風景に皆が惹かれるのは、寺院に張り詰められた金箔と屋根の真っ白い雪と、背景の小山の白い雪を被った木々とのコンビネーションが絶妙で、そして青い空が背景にあれば最高だからである。日曜の朝9時前に到着したが、金閣寺にはすでに多くの人があふれ、池の前の撮影ポイントは幾つもの列になっており、それでもじっと時間をかけて待って撮影し、さらに移動していくつかの角度から撮ってみました。到着直後はあいにく、どんよりした曇り空であったが、徐々に雲が切れて、念願の青空が出てきて、金箔と雪はさらに輝き、またラッキーにもミズカモの連隊が水面を横切っていった。撮影し始めて1時間、陽が差すとともに背景の木々の雪がどんどん落ちてきた。京都の金閣寺の雪景色のベストタイミングは刻々と変化して行くことをつくづく感じ、良いタイミングで撮れたことに感謝し、山の雪が少なくなった11時にこの場を離れ、貴船神社に向かった。金閣寺の雪景色は日本の宝である。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。