旅先、街角のスナップ（12）

まだ訪れたことのない都道府県のひとつに島根県がありました。泊まりがけの長めの休暇は夏くらいしか満足に取れない日本の人々にとって、居住地から離れた地域に赴くことは至難の技ですが、私の場合、学会出張によってそのチャンスは年一回程度訪れます。
ようやくこの春に訪れた松江は、水の都と言われる源である宍道湖が素晴らしかったのはもちろん、その宍道湖で獲れる魚介七珍（しじみとシラウオをいただきました）、松江おでん（葉ものが入っているのが特徴だとか）などのおいしい食材が豊富です。さらに、民藝の里出雲（出西窯も出雲ですね）を背景に手仕事のお店が点在し、なおかつおいしいコーヒーが飲めるお店が増えているそうで、いつか必ず再訪したい街となりました。そして2016年1月「夜明け前の富士」から始まった今月の一枚は、日本一と謳われる宍道湖の夕陽です。地元の方々も思わず足を止めた素晴らしい夕景をシリーズの締めとしたいと思います。
2年間お付き合い頂いた「旅先、街角のスナップ」シリーズは、今月号が最終回となりました。全24回、果たして続けることができるのだろうかと不安ばかりでしたが、何とかここまで辿りつくことができました。連載はここで終わりですが、私はこれからもあちらこちらの旅先、街角でライカ片手に撮影を続けていると思います。拙い写真、エッセイをご覧いただいた皆さん、お世話になったモダンメディア編集室の皆さん、本当にありがとうございました。