旅先、街角のスナップ（10）

父が山好きで、子供の頃から丹沢や長野の山に連れて行ってもらった影響もあり、高校は山岳部、大学はワンダーフォーゲル部に所属していました。部活動としての登山は、実際に山に登るまでのトレーニングや、やたらと細かい計画書の作成、大きな合宿ともなるとOBまで口を出してきて、ホントに山に行けるのかいなと、行く前に気分が萎えてしまうようなことが少なからずあり、心底楽しんだかというと正直そうでもなかったような気がしています。
研修医時代は一日一日を乗り切るのに精一杯で、当然山に気持ちが向く時間など全くありませんでしたが、3年目の終わり頃でしょうか、青梅の病院に勤務していた時代に、山好きの先生と看護師さんのグループに誘われて再びぼちぼちと登りだしました。再開してみるとあれ、なんか楽しいぞ、と。長めの休みが取れる夏には、学生の頃には登らなかった北アルプスの槍穂高連峰にもこの仲間とともに楽しく登ることができました。気の置けない人々との山行の楽しさを再発見させてくれた仲間に感謝しています。また自分が社会人になりしばらくブランクがあってもすんなり山に戻れたのは、やはり学生の頃に登山の基礎、山の厳しさをしっかり教わっていたからであり、あの辛い時期の経験は無駄ではなかったのだとも再認識しました。
今月は、東京都青梅市にある御岳山から日の出山に向かう山道での一枚。晩秋の空を赤く染める見事な紅葉でした。御岳山～ロックガーデン～日の出山は、標高1000mに満たない低山域でありながら変化に富んだ歩きを楽しめる、山が初めてという方にもオススメのコースです。山岳部の経験がなくても全く問題ありません（笑）。晴れていれば日の出山山頂からの都心方面の展望はなかなか見応えがありますし、御岳山に戻らずそのまま下山すれば、立ち寄り温泉が待っているというのも魅力的ですよ。