2013年3月号(第59巻3号)

健康に生きるために(3)

魔神魚創造

728mm×515mm

〇内臓脂肪について
ダイエット外来の目玉はMRIを使った内臓脂肪面積の検査です。おへその位置の横断像を使って、内臓脂肪と皮下脂肪の面積を測定します。内臓脂肪面積が100平方cm以上になると内臓脂肪型肥満と診断されます。
私も初めて検査した時は100平方cm以上あり、完全な内臓脂肪型肥満でしたが、半年のダイエットで50平方cm程度にまで減少しました。内臓脂肪は腸間膜の周囲に沈着する腹腔内の脂肪であり、周囲の血流が豊富なので血中の中性脂肪はすぐに脂肪細胞内に貯まりますが、逆に血中へもすぐに戻るので、普通預金に例えられます。これに対して皮下脂肪は体表にあり、冷えやすく血流も少ないので、なかなか減ってくれず、定期預金に例えられます。
でも、時間は掛かりますがダイエットを継続していれば皮下脂肪もちゃんと減ってきます。1年後には、身体全体の断面積が始めた頃より数十%も減り、ビックリしたものです。
男性は皮下脂肪よりも内臓脂肪が付きやすく、メタボ体型になりやすい傾向があります。腹囲は正常範囲なのに内臓脂肪面積100平方cm以上である「隠れ肥満」が多いのも特徴です。内臓脂肪が多いと生活習慣病になりやすいので注意しないといけません。
閉経前の女性の場合は、かなり体重の多めの方でも皮下脂肪がほとんどで、内臓脂肪型肥満が少ない傾向にあります。でも閉経後は一気に男性に近づき、内臓脂肪型肥満の方が増えてきます。
ダイエット中に問題になるのが、体重が戻ってしまうリバウンドです。また痩せれば良いと、リバウンドを繰り返している人も多いのですが、食事を減らして痩せる時は筋肉が減り、ガバガバ食べて太る時は脂肪が増えます。ですから体重の数字だけ戻しても、筋肉が減って脂肪の割合が多い身体になってきます。筋力が無いので疲れやすく、ますます動かなくなるので更に太りやすくなります。また、筋肉は基礎代謝の要ですから、これが減ってしまうと、痩せにくくなるだけでなく、体温が下がり、生活習慣病にもかかりやすくなります。筋肉量を減らさないように運動を続ける事が最も重要で、リバウンドするつもりならダイエットはやらない方がましです。

〇今月の作品:魔神魚創造
前年、大賞をもらってしまったので、この年は気負ってしまい、色んなものを盛り込んだゴチャゴチャした作品になってしまいました。家の地下室の壁に珪藻土を自分で塗ったので、その時の余りを背景に使い、中には庭に生えていたエノコログサを沢山塗りこんであります。左右の壁はアクリル板として、横からも作品が見えるようにしました。基板を沢山使い、今回はコードもカールさせたりして工夫したのですが、ちょっと中途半端な作品になりました。
2010年第95回二科展デザイン部B部門入選作品です。

多摩川の魚たち:http://homepage3.nifty.com/tamafish/(現在閲覧不可)
絵画のギャラリー:http://r-kaiga.suz.cc/(現在閲覧不可)

絵とエッセイ  鈴木 孝成

昭和28年1月12日
信州松本にて生を受ける

<職歴>
昭和57年…東京医科大学医学部卒業、放射線医学教室大学院に入学
昭和61年…東京医科大学放射線医学教室助手
平成2年…米国アリゾナ大学メディカルセンター核医学に一年間留学
平成4年…東京医科大学放射線医学教室講師
平成7年…東京医科大学退職、町田市にて、中町クリニックを開業。MRIを導入して地域の画像センターとしての機能を担っていた。
平成23年…中町クリニック閉院。

<絵の略歴>
幼い頃から絵や工作に熱中していた少年だったそうである。小学生の頃は、松本の月草絵画教室に通っていた。中学になって押し付けがましい美術の授業に嫌気がさして、物理部で飛行機ばかりやっていた。高校では、美術室入りびたりの生活となった。主に人物の油絵を描いていて、二科展絵画部に入選。大学は1年浪人後、飛行機好きが高じて東海大学航空宇宙学科に入学。その後も数年は夏休みに高校の美術部へお邪魔して二科展の油絵を製作し、2度目の二科展入選を果たす。その頃にPC-8001が発売されてパソコンブームとなり、ゲーム開発に熱中して絵の事はすっかり忘れる。芸夢狂人のペンネームで、雑誌に記事を載せたり、九十九電気にゲームソフトを卸したり大忙しであった。
東海大学卒業の頃はすっかり不況のまっただなか、希望する航空関係の企業に勤められる可能性も無く、東京医大を受験したところ、奇跡的に入学できて、ここからまた6年間の学生生活が始まった。
東京医大卒業後結婚し、放射線科医局へ入局後は忙しい新米医者の生活になり、絵を描くのは、子供とスケッチをする程度であった。
そして、ふと気づくと、50歳も過ぎ中年真っ只中であった。ひょんなきっかけからリアルな風景画の世界にはまり、現在に至っている。