2006年4月号(第52巻4号)

心に残る、山と花

アカヤシオツツジ

桜とほぼ同時期に咲くアカヤシオツツジ。斜面に咲くピンクの花は鮮やかで新緑の春の渓谷を彩ります。5枚の葉は輪生し、花は大きめで、葉よりも先に、やわらかな花をつけます。低山帯上部から亜高山帯の林縁や雪渓の縁など湿り気の多いところに生え、高さ1~3mのツツジ科の落葉低木で、4月から5月にかけて山々を彩る春のシンボルです。

桐生市の北に位置する鳴神山(標高980m)は、桐生岳と仁田山岳からなる双耳峰で、低山ながら展望に恵まれているため、人気の高い山となっています。亜高山帯の植物が見られ、4月から5月はカタクリ、イチリンソウ、ニリンソウ、アカヤシオ、カッコソウ、ナルカミスミレ、ヤマツツジ等の花が楽しめます。4月中旬、山中間と鳴神山にアカヤシオツツジを見に行きました。山頂には山岳信仰を偲ばせる4つの石の小祠が安置されていて、周辺は360度の大展望で、日光白根山、男体山、武尊山等々眺望を楽しみました。西峰の仁田山岳周辺には目的の花は丁度見頃で、新緑に映えてそれは美しく輝いていました。

写真とエッセイ 後藤 はるみ

1938年 東京に生まれる
1963年 東京理科大学理学部卒業後、代々木病院検査室勤務を経て東京保健会・病体生理研究所、研究開発室勤務
1978年 東京四谷の現代写真研究所に第3期生として、基礎科、本科1、本科2、専攻科、研究科で7年間写真を学ぶ。
1984年 写真家・竹内敏信氏に師事、現在に至る
1999年 病体生理研究所定年退職

・日本山岳会所属 ・エーデルワイスクラブ会員
・全日本山岳写真協会 会員
・写真展「視点」に3回入選
・全日本山岳写真協会主催の写真展に毎年出品
・その他、ドイフォトプラザ等でグループ展多数