2005年10月号(第51巻10号)

スペイン紀行

サン・マルコス橋

ペン+水彩(23.8×19.2cm)

レオンのパラドールの前は,広々としたサン・マルコス広場である。朝食をすませて広場に出てみると,今日もよく晴れて少し肌寒い。レオンは札幌とほぼ同じ緯度にあり,高原台地にあるので朝夕は冷える。

出勤の時間で,広場を横切って人々が勤めに急ぐ。すぐ西側にベルネスガ川が流れていて,レオンの街はこの川によってカテドラルや城壁のある旧市街と,国鉄の駅やバスターミナルのある新市街に区切られている。

川の東岸は気持ちの良い広い遊歩道になっていて,芝生と樹木の緑が美しい。川にかかるサン・マルコス橋は多くの人々が行き交っているが,こちらは静かな道である。カテドラルや城跡ばかりを毎日見て歩いていると,この様な緑の中で過ごすひとときは心をなごませる。

スケッチとエッセイ 武田 幹男

昭和7年生まれ
薬学博士元・田辺製薬株式会社 有機化学研究所長 常務取締役
※絵の略歴 定年退職後、 水彩スケッチを始める
山と渓谷社「山のスケッチコンテスト」準特選入賞
2002年、個展を開催 楽風会 所属
※山の略歴 元・関西山岳会会員
現在はネパール・ヒマラヤのトレッキングなどを楽しむ