2005年3月号(第51巻3号)

スペイン紀行

アンドラの街

ペン+水彩(23.4×18.0cm)

スペインとフランスの国境のピレネー山脈の中央部に, アンドラという人口5万人のミニ国家があることを,私は北スペインを旅するまで知らなかった。8世紀に建国され,スペインとフランスの両方の統治下に自治が認められていたが,1993年にアンドラ公国として独立したそうである。もちろん入国手続きなどというものはない。ピレネー山脈に囲まれた自然は美しく,夏にはハイカー,冬はスキーヤーで賑わうという。

首都のアンドラ・ラ・ベリャはバリラ川に沿った山間の街で,旧市街には小さな議会の建物やロマネスクの教会がある。アンドラは免税なので,週末には電化製品や衣類などを求めて大勢の買物客が訪れるというが,今日は週日で街は静かである。

私が訪れたのは秋で,標高が1000米を超えているので少し肌寒く,両岸の山々や街路樹が美しく紅葉し始めていた。

スケッチとエッセイ 武田 幹男

昭和7年生まれ
薬学博士元・田辺製薬株式会社 有機化学研究所長 常務取締役
※絵の略歴 定年退職後、 水彩スケッチを始める
山と渓谷社「山のスケッチコンテスト」準特選入賞
2002年、個展を開催 楽風会 所属
※山の略歴 元・関西山岳会会員
現在はネパール・ヒマラヤのトレッキングなどを楽しむ