2005年2月号(第51巻2号)

スペイン紀行

サグラダ・ファミリア聖堂

ペン+水彩(33.5×25.0cm)

天に向って林立する巨大な鐘塔をもつサグラダ・ファミリア聖堂は,バルセロナの新市街にある。1883年,ガウディによって始められたこの聖堂の建設は,1926年の彼の事故死ののち,現在もなお,続けられていることは良く知られている通りである。

ヨーロッパの古いカテドラルが完成までに数百年を費やしていることは珍しくないが,サグラダ・ファミリアの建設は観光客の見学料を主な財源として進められているので,今後,100年とも200年ともいわれる完成の時を果して迎えられるのか,危ぶまれているという。

ガウディの建築は,近代主義に基づいた斬新さが特徴だが,この聖堂にはどこか,ブルゴスのカテドラルなどのゴシックの伝統が残されているように私には思える。

一番高い鐘塔は107米もあるので,写真をとったり, 絵を描いたりするには,東側の池をへだてた公園まで行かないと,その全貌をとらえることが出来ない。建設中のため,クレーンや工事の足場がいっぱい付いているが, 絵では省いてある。

スケッチとエッセイ 武田 幹男

昭和7年生まれ
薬学博士元・田辺製薬株式会社 有機化学研究所長 常務取締役
※絵の略歴 定年退職後、 水彩スケッチを始める
山と渓谷社「山のスケッチコンテスト」準特選入賞
2002年、個展を開催 楽風会 所属
※山の略歴 元・関西山岳会会員
現在はネパール・ヒマラヤのトレッキングなどを楽しむ