2023年12月号(第69巻12号)

日本の四季彩巡り(12)

晩秋の国宝宇治平等院鳳凰堂を包む紅葉絶景

撮影地:
京都府
宇治平等院

 京都市内の紅葉が散りもみじとなり、晩秋も終わりになるころ、京都宇治の平等院の紅葉は見頃を迎える。平等院は特に紅葉の名所としての位置づけはないが、2本の紅葉の木の枝がちょうど上手い具合に鳳凰堂を包み込む場所が一ヶ所だけある。この場所は普通にカメラを構えてもその風景は捉えられず、三脚を30cm 立てて初めてそこから理想の構図をとることが出来る。美しい鳳凰堂の本堂と屋根のシャチホコ、手前の池への鳳凰堂のリフレクション、手前の落ち葉、そして落陽のダイヤモンド光線そして逆光に輝く2 本のカエデが作る紅葉トンネルに感動した。さすがまだ知られていない、日本の誇る国宝、宇治平等院鳳凰堂でみられる紅葉絶景である。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。