2023年6月号(第69巻6号)

日本の四季彩巡り(6)

輝ける佐渡島トビシマカンゾウ

輝ける佐渡島トビシマカンゾウ

撮影地:
新潟県
佐渡
大野亀

 カンゾウは百合の仲間で初夏の時節、中部地方、東北、北海道などで咲き、私のお気に入りの花の一つである。カンゾウは咲く場所でその土地の名前がつく。北海道の利尻岳を背景としたサロベツ原野のカンゾウはエゾカンゾウと呼ばれ、新潟県の佐渡島では海沿いに濃い黄色のトビシマカンゾウの花が咲く。トビシマの由来は山形県の酒田沖の日本海にある飛島からつけられた。6 月上旬、佐渡島の北東にある亀の形をした大野亀には、山の中腹から下の緩やかな斜面に沿って、広大なカンゾウの美しい姿が展開する。大野亀を見上げる方向で、群生しているカンゾウを目一杯アップして撮影した。今年のカンゾウの群生は当たり年で勢いがある。付近から百合の香りが漂い、心が和んだ。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。