2023年5月号(第69巻5号)

日本の四季彩巡り(5)

宇治平等院の藤

撮影地:
京都
平等院
藤棚

 京都の桜が散り、晩春の花として藤の花が咲く。新緑の森のなかの野生の藤もよいが、今回は京都の神社、仏閣と藤棚とのコラボレーションを目的に3 つの寺を訪れた。平等院、城南宮、勧修寺であるが一番良かった平等院を紹介したい。京都駅から車で30 分、午前9 時前に平等院に到着した。寺院の境内にはすでに多くの観光客が来ていて、コロナ明けということで藤棚の周りは人だかりで、垂れ落ちる藤と国宝の鳳凰堂とを納めることが出来る一点しかないスポットに順番待ちの状態であった。なにせ目的の構図内には一瞬の隙もなく人が行き来するので、当然待ち時間も長くなった。藤の長さは80cm くらいにおよび、朝の光が届く朱色の鳳凰堂と紫色の藤との美しいハーモニーを体験できた。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。