2022年11月号(第68巻11号)

日本の四季彩巡り(11)

三重塔を包む金剛輪寺紅葉

撮影地:
滋賀県
湖東三山
金剛輪寺

 滋賀県の琵琶湖の東に、湖東三山といわれる古くからの歴史があり、春は桜、秋は紅葉が見事な寺がある。湖東三山は、紅葉に関して日本の紅葉名所百選にも選ばれている。湖東三山とは西明寺、金剛輪寺と百済寺の3 つの天台宗の寺院の総称で、これらの中央に位置する金剛輪寺は国宝や重要文化財が多く、特に本堂と三重塔の周りにはヤマモミジ、カエデ、大モミジを中心に、全山が紅葉となり錦繍の世界となる。鮮やかな色彩の木々越しに三重塔を撮影できる場所は、全国探してもそう多くない。モミジの葉の色づき具合と位置を確認しながら、三重塔を包みこめる撮影点を探し続けた。少しの移動でその風景は微妙に異なり、ベストポジションを探すのに時間がかかった。贅沢で優雅なひとときを過ごすことができた。る。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。