2022年8月号(第68巻8号)

日本の四季彩巡り(8)

復興の願い込めて長岡花火2022

撮影地:
新潟県
長岡花火

 新型コロナウイルスの感染が日本に広がり2 年半が過ぎました。2020 年、2021 年の全国の花火大会は感染拡大が危惧され、ほとんどが中止となり、長岡花火も関係者、市民、そして全国の花火を愛する多くの人々の願いもむなしく、中止を余儀なくされたつらい2 年間が過ぎました。2022 年のこの夏、厳重な感染防止対策のもと、3 年ぶりに2 夜連続の花火大会が開催されました。8 月2 日の初日には、NHK BS プレミアムで実況放送され、その翌日に花火大会の打ち上げ場所から約5km 離れた小さな丘の上から、看板花火である正三尺玉と幅2km に亘るフェニックスの撮影を目的として現地に向かいました。天気予報は雨で半ばあきらめていましたが、幸運にも黒い雲が東方に流れ去り、煙の条件もよく、横幅650 メートルの正三尺玉を撮ることができました。コロナ禍からの復興の願いを込めた、小さな緑の一段目、ピンクの二段目に続いて大きく大きく広がる三段目の開花の中に、さらに閃火する濃い朱色の花火に感激しました。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。