2022年6月号(第68巻6号)

日本の四季彩巡り(6)

紫陽花に包まれる岩船寺三重塔

撮影地:
京都府
木津川市
岩船寺(がんせんじ)

 京都市の中心街から車で南に40 分、奈良県との県境に近い木津川市に、隠れた紫陽花の名所として知られている岩船寺がある。真言律宗の平安時代を代表する寺院で開山は行基と伝えられている。境内には5,000 株の色とりどりの紫陽花があり、山寺の趣のある三重塔と紫陽花のコラボレーションには風情を感じる。本堂の入り口には円形の壺に、幾つもの色の紫陽花からなる花手水があり、季節感が漂う。縁側にはこの季節、人なつっこいモリアオガエルを見ることもできる。
 岩船寺は紫陽花の他、梅、椿、桜、睡蓮、百日紅、紅葉など四季折々の草花が豊かに咲き誇る花の寺でもある。ここから2km ほどの所にある浄瑠璃寺でも紫陽花を楽しめるので、つぎは是非、岩船寺とともに訪れたい。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。