2022年3月号(第68巻3号)

日本の四季彩巡り(3)

富士山春景色競演

撮影地:
神奈川県
松田町 西平畑公園
河津桜

 神奈川県の東名大井松田インターチェンジを降りて10 分ほどの所に富士山・河津桜・菜の花の春絶景を楽しむことができる場所がある。その場所は西平畑公園で、松田山ハーブガーデンに広がる約360 本の河津桜と菜の花を楽しむことができる。山の上の公園からは松田の町並みや箱根の山々、そして天気がよければ雪を被った富士山を望むことができる。休日の早朝、公園の駐車場は開門が9 時と遅く、混み合うのでJR 御殿場線の松田駅の駐車場に車を置いて、徒歩約30 分の坂道を上り、予め調べておいた本日の目的のポイントに到着した。公園広しといえども富士山・河津桜・菜の花の3 つだけを他の障害物なしに1 つの構図で捉えることができる場所は限られている。そこからの風景も脚立の上に乗らないと富士山が大きく撮れず、どうしても入りこんでしまう自動販売機や散策路などを切り取りでカットして、撮影したのがこの写真である。柔らかな朝日の光線に輝く富士山と満開の河津桜、そして苦労しておさめた菜の花の春3 点セットを撮ることができた。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。