2022年1月号(第68巻1号)

日本の四季彩巡り(1)

合掌造りの雪フラッシュ

撮影地:
岐阜県
白川郷
合掌造り

 白川郷は岐阜県の飛騨地方にあり、世界遺産に登録されている100 棟余りの合掌造り集落があり、今もそこでは人々の生活が営まれている。ここでは四季折々、日本の原風景である農村文化・生活・暮らしを深く感じることができる。富山空港でレンタカーを借りて高速道路を走ること約1 時間半、雪のしんしんと降る中いくつかのトンネルを越えていくと白川郷に到着した。
撮影のポイントとして展望台から見おろす合掌造りの町並みの全景、特に雪が降った直後の風景がよく知られている。もう一つのポイントは複数の合掌造りの建物がバランス良く建っている場所での撮影である。ここはメインストリートから南へ徒歩10 分ほどのところにある‘かん町’にあり、ここでみる合掌造りは幾何学模様の整った形をしており、地元では‘三つ子合掌造り’といわれている。しばらくここにいると、小雪から大雪に変わり、カメラのフラッシュをたいて雪模様を撮影した。細かい雪から、大きな雪まで無数の雪が降りしきり、無数の雪フラッシュが合掌造りとマッチした。夕暮れの窓のほのかな灯りは建物の中の温もりを感じさせていた。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。