2021年1月号(第67巻1号)

日本の四季彩巡り(1)

冬の三ツ石からの日の出

撮影地:
神奈川県
真鶴岬
三ツ石海岸

 12 月中旬から1 月中旬にかけて、神奈川県の真鶴半島の突端にある三ツ石海岸から朝陽を望むことができる。正月の元日に撮るのが理想であるが、当日は混雑が予想されるため、天気が良く、風もない12 月24 日早朝に初めてここを訪れた。すでに駐車場は満車に近く、三ッ石の人気の高さをうかがわせている。海岸方向に向かって行くと岩場には早くも多くのカメラマンが三脚を立てて位置取りしている。一度場所をきめてしまうと、多くの人がいるのでそう簡単には移動できず、人が集まっている付近で東の方向の地平線から太陽が昇ってくる瞬間を待った。太陽が昇った瞬間、その位置は左の岩の右端で、理想の位置ではなく、さらに地平線の少し上に横に伸びる薄い雲がある。ここから太陽はやや右上方に向かって上がっていく。思い直して今日は2 つの石に架かるしめ縄が太陽の位置のちょうど真下に来る時を待った。ゆっくりと太陽は上がり、運良くしめ縄の上に来た時がシャッターチャンスとなった。三ツ石には何回も通っているベテランも多いと聞く。初めてにしては上出来と自己満足し家路についた。

写真とエッセイ  北川 泰久

<所属>
東海大学名誉教授・東海大学付属八王子病院顧問
医療法人 泰仁会 理事長

<プロフィル>
昭和49年慶應義塾大学医学部を卒業し、後藤文男教授の神経内科教室に入局、米国べーラー大学留学後、川崎市立川崎病院に勤務、膠原病と脳卒中の研究を行い、平成4年より東海大学に赴任、東海大学大磯病院副院長を歴任し、平成15年より東海大学神経内科教授、平成17年より付属八王子病院病院長を9年間つとめ平成29年より東海大学名誉教授、付属八王子病院顧問、医療法人泰仁会理事長、現在に至る。

専門は脳卒中、頭痛、生活習慣病、認知症。日本医師会学術企画委員会副委員長をつとめ、日本医師会雑誌の編集に長年携わっている。写真歴は約15年、各季節の旬を盛り込んだ風景写真のカレンダーを11年間作成し続け、平成26年には春夏秋冬の風景写真130余りを盛り込んだ写真集、憧憬を発表。

今まで使用してきたカメラはペンタックスとニコン、現在はニコン850Dを主に使用している。