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2024年2月号(第70巻2号)
3D映画はその後いくつか放映されているが、それほど増えている感じは受けていない。ただ、3Dが推奨される映画があるのだそうだ。例えば、ザ・ウオーク(2015)。ニューヨークの今はなきツインタワーの間にロープを張って綱渡りを成功させた人の実話に基づく映画で、高所恐怖症の人にとってはいらぬお世話である。それとゼロ・グラビティ(2013)。これは宇宙空間に放り出された人が漂流しサバイバルに挑むというもので、奥行きの感覚は3Dでないと味わえないものであろう。最近は3D映画、多くないし、余分に払って見る価値があるのか疑問もある。2Dでも大画面で見ると、結構立体的な気がする。残念ながら浜松にはIMAXはないし、まあ2D でええかというのも本音である。
3Dテレビは完全にぽしゃってしまったようで、3Dデジカメも同様である。見る道具がなくなるのに3Dで撮る意味がない。一方、音響効果はどんどん進歩している。先日、日本橋でグレイテスト・ショーマンを観たが、音響はドルビーアトモスというのであった。なかなかのものだったと思う。これは、全てに共通する問題である。一部の技術が進歩しても、それに付随した機能も進歩しないと宝の持ち腐れである。
医療における画像診断も現時点では3D画像を構築して2Dで表現しているのが実状であり、バーチャルリアリティのように特殊メガネをかけて手術をするとか、さらに一歩進んで、3Dに構成した患部にバーチャルでアプローチして切除すべき範囲を覚え込ませて切除した成功記録に基づいて、本番を外科医の監督下で自動的に行わせることも可能になるであろうか。内視鏡では顕微鏡のように拡大して細胞の一個一個の性状まで観察しながら診療することも可能となってきているため、人工知能とのコラボが期待される。
この元の原稿を書いたのは2010 年でインフルエンザは大流行しなかったが、2018 年は大流行してしまった。流行とはげに恐ろしい物である。