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歯周疾患が全身に及ぼす影響

歯周病が全身状態の影響を受けるばかりではなく、逆に全身に影響を及ぼして様々な疾患のリスクファクターとなることがわかってきました。歯周病は、代表的な細菌感染症、炎症疾患です。人間の歯28歯全てに5~6mmの歯周ポケットを有すると仮定した場合、バイオフィルム(微生物の集合体)との設置面積は約72mm2(手のひらと同じ大きさ)にもなります。それらの菌が血液や唾液を介して体内に入り込み、全身の病気に影響が出てくるとされています。血管から侵入した歯周病菌が影響し、 感染性心内膜炎、狭心症、心筋梗塞等の心臓病の症状が現れたり、プラークの中の歯周病菌等が唾液に混ざり、誤って気管に入り込むことで気管支炎や肺炎が起こるといわれています。
その他にも様々な疾患との関連性が報告されています。(下図)


中でも糖尿病と歯周病に関しては密接な相互関係にあります。歯周病を患っていると糖尿病になりやすく、糖尿病を患っていると歯周病になりやすいということがわかっています。歯周病から出される炎症物質がインスリンの働きを低下させ、血糖値が上昇し、糖尿病のコントロールを困難にします。また、歯周病は糖尿病の合併症の1つとされており、糖尿病による免疫力、治癒力の低下により、さらに歯周病が悪化するという悪循環になります。歯周病のコントロールによって、糖尿病のコントロール状態が改善するという報告もあります。

 
【参考】公益社団法人日本歯科医師会「歯8020テレビ」