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2025年4月号(第71巻4号)
皆さん、こんにちは。4 月になり、新年度を迎え、新しい出会いや新しいことを始めるのに胸をはずませている方も多いと思います。先月は梅の話をしましたが、今月は桜に触れたいと思います。今年の桜は全国的に長い間楽しむことができて良かったです。桜の名所にお花見にでかけるのもよいのですが、家の前には一葉桜があるおかげで十分桜を楽しむことができます。この桜は花の形としては八重咲で、はじめは淡紅色、後に白色となります。特徴的なのは、花の中にある1 本の雌しべが葉化していることで、このことからこの名が付けられたということです。東京ではもう少し桜を楽しめそうなので、週末は花見に出かけてみてはいかがでしょうか。
さて、今月は機会があって江戸千家 十一代家元襲名記念祝賀会に出席しました。40 代の若い家元のため、流派が一新された印象を受けました。このような襲名記念祝賀会に出席する機会は早々ありませんが、帝国ホテルにて600 人ほどの全国の会員が集まり、色とりどりの着物を着た女性たちでいっぱいの会場はとても華やかでした。印象に残ったのは、家元からの挨拶の中に、「茶の湯は日本の伝統文化として継承していくものだが、ひとりではできない、またひとりでやるものでもなく、日々の暮らしの中の楽しみとして続けてください」とお話いただいたことです。以前後記でも映画「日々是好日」を紹介しましたが、その世界観とつながると思います。当日は竜馬四重奏という日本の伝統楽器と西洋楽器を融合させたインストゥルメンタルグループに演奏いただき(残念ながらヴァイオリニストは不在)、津軽三味線の音色をはじめ、とても素晴らしい演奏でした。今年の春もまた新しい出会いがありました。今年度もよろしくお願いいたします。