バックナンバー
Back Number
2025年3月号(第71巻3号)
皆さん、こんにちは。3月になり、今年度もついに終わりの季節となりました。3月に入ってから関東でも雪が降り、寒い日が続いてなかなか暖かい日がこないことから、三寒四温を肌で感じています。3月は別れの季節でもありますが、4月からの新しい出会いを楽しみにして日々を過ごしていきたいと思います。
さて、先月の休みを利用して梅まつりとあんこう料理を楽しむため、水戸に出かけてまいりました。国指定特別史跡・重要文化財となっている、旧水戸藩の藩校である弘道館に足を運びました。水戸藩第九代藩主である徳川斉昭が、偕楽園とともに造設した施設で、隅々まで斉昭の教えが浸透しています。彼が偕楽園と弘道館に多くの梅を植えた理由は、春の魁(さきがけ)として咲く梅の花が詩歌の良い題材になること、また梅の実は梅干しにして軍事や飢饉の際の非常食としていたそうです。実用を重んじた斉昭の人となりがよくわかります。その梅ですが、残念ながら弘道館にも偕楽園にもほとんど咲いておらず、偕楽園にいた水戸黄門に扮した年配の方からも、今年は開花が遅いと話を聞きました。
街歩きをした後、実はこれまであんこうを食べたことがなかったので、あんこう鍋の他に、あんこうの友酢(ともず)を食べられる店を選びました。あんこうの七つ道具と呼ばれる部位があるようで、白身、皮、胃袋、卵、エラ、ヒレ、キモを洗って茹で、友酢につけて食べます。この友酢を作るのには大変手間がかかるとのことです。あんこうの友酢の色々な食感を楽しみつつ、肝を出汁で伸ばしたスープで煮込まれたあんこう鍋は大層濃厚な味でした。
先月はまた、表紙シリーズをご担当いただいている佐藤秀樹先生のいらっしゃるテルモ株式会社、湘南センターにお邪魔しました。表紙写真の色校正を確認いただくため伺いましたが、研究所はとても広く、エントランスに入ると新しく千円札の顔になった北里柴三郎博士の写真が見られます。会社のスタートは、この北里博士らによる良質な体温計の国産化を目指すところから始まったということです。佐藤先生から鳥シリーズの撮影のエピソードを伺い、会社の製品もご案内いただきました。研究所は山を切り開いて作られており、スギがたくさん植えられているとのお話を聞き、伺ったメンバー全員が花粉症のため、花粉を感じた一日でした。来年度も引き続き佐藤先生の表紙シリーズの写真をお楽しみください。