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2024年10月号(第70巻10号)
“ 写真の魅力”について書いたのが6 年前でした。その後のカメラの発達には目を見張るものがありました。先ず、ミラーレスになったことです。それによってシャッタースピードもISO 感度も飛躍的に高くなり、光を捉える性能が高くなったことです。感度は、常用で102,400 ISO更に画素数を減らせば、328,000 ISOまであげることが出来るのです。この感度では、1/1000秒のシャッターを切って暗い夜道に立つ人物をフラッシュなしで撮影できます。さらに、シャッターも機械的な構造ではなくなったために1/8000 秒のシャッターが切れるのです。一眼レフカメラの光学式ファインダーの代わりに電子ビューファインダーや液晶ディスプレイを通じて像を確認する形式に変わったためです。オートフォーカスの機能も強力になり1/8000秒のシャッターで連続撮影も可能になりました。
新機能を持ったカメラを用いるといままでのカメラでは撮影できなかった映像が撮影できるようになりました。例えば、ホームランバッターがバットで球を捉えた瞬間を映像として捉えることが可能になりました。球は凹んでバットにへばりついている像です。機械の発達によって今まで捉えることの出来なかった映像が得られるようになりました。
色の記録でも新しい機能が開発されました。一つの色だけを記録して、他の色は記録されない機能を持ったカメラが発売されています。赤色のスカートを履いている人を撮影すると赤色だけが記録され他の色は黒白として記録されるというものです。
機械の発達が急速に進んでいる中で、AI による写真の選別も行われるようになりました。多数の写真の中から、特定の一人が写った写真だけを選び出す機能などが開発されています。
発達した機能をいかに利用して新しい映像を作り出すかは今後の問題です。あくまでもシャッターを押すのは人間です。芸術性の高い写真は、未だに人間の感覚に依存していると思っています。そうあり続けてほしいと願っています。