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2026年2月号(第72巻2号)
オジロワシです。オオワシと同じ属に属し、分布や食性もよく似ているため、道東では両者が同じ場所に姿を見せることは珍しくありません。しかし、こうした魅力的な猛禽類もオオワシ同様、列車事故や感電事故など人間活動の影響を受けながら、個体数を減らしています。
両者の関係性を見ると、体の大きさはオジロワシの方がやや小さく、そのためか、オオワシに対して一目置いているようにも感じられます。せっかく手に入れた餌をオオワシに奪われる場面もよく見られ、単純に「ライバル」と呼ぶには少し違う印象を受けます。
むしろ、オジロワシの真のライバルは、タンチョウなのかもしれません。鶴居村の国際ツルセンターでは、かつて両者の激しい争いが見られました。冬季、この施設ではタンチョウ保護のためにウグイを給餌しており、その餌を狙ってオジロワシも多く集まっていたのです。
タンチョウは神経質で気性が荒く、オジロワシが少し近づいただけで飛び蹴りを繰り出そうとします。その蹴りは非常に強烈で、当たれば体の大きなオジロワシであっても倒されてしまいます。それでもオジロワシはタンチョウの隙をついてウグイをさらうのが常で、冬の風物詩のような光景でした(現在は高病原性鳥インフルエンザの影響により、ウグイの給餌は行われていません)。
春になるとオオワシは繁殖のためロシア東部へ渡ります。一方、一部のオジロワシは北海道に残り繁殖します。雛を守る親鳥の姿は健気でたくましく、その美しさは神々しささえ感じさせます。一方で雛は非常に大きく、育つためには多くの餌が必要です。地元の方から、タンチョウの雛がオジロワシに狙われることもあると聞いたことがあります。
ウグイをめぐる争いならどこか微笑ましさがありますが、雛をめぐる争いは希少な野生動物同士の命の奪い合いです。自然の摂理とはいえ、目にしたくない光景です。これらの魅力的な鳥たちが、互いの命を奪い合うことなく、健全な形で個体数を増やしていくことを願ってやみません。
<所属>
獣医師 日本毒性病理学会認定病理学専門家
テルモ(株)R&Dテクニカルアドバイザー
<プロフィール>
テルモ湘南センター 元主席研究員
テルモバイオリサーチセンター 元センター長
人工血管、ステント、イメージングデバイスなど、種々の医療機器の研究開発に従事。
写真は20代の初めの頃、当時お世話になっていた国立衛生研究所の室長に薦められて。モチーフは主に風景と鳥。
記憶している最初のカメラは、キャノンEOSシリーズの1号機、EOS650。
現在使っているカメラはNIKONで、購入したのはつい最近のこと。
それまで使っていたカメラとレンズ資産を手放して購入し、現在は望遠レンズ購入を検討している。
撮影のモットーとしては、デジタルカメラで撮影の際は、多少ピントが甘くても、その瞬間を逃さずシャッターを切ることが大事だと思っている。