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2024年10月号(第70巻10号)
これがアオバトです。ハヤブサの回で少し触れたように、普段は森林に生息していますが、夏になると海水を飲みに海岸まで飛来します。海水を飲みに来る理由については、ミネラルの摂取と言われています¹⁾。
その名の由来ですが、古来日本人は緑を青と表現することが少なくなく、例えば緑葉ではなく青葉、緑信号ではなく青信号などと言います。この表現法に従えば、アオバトの名前もその緑の彩色が由来と考えられると、随分長い間私はそう思い込んでいました。ところが数年前、職場の後輩で大磯在住のOさんに、「アオー、アオーって鳴くからアオバト、とも言われていますよね」と正されました。
アオバトの鳴き声は山林を歩いていると時々耳にします。「アオー、アオー」と聞こえなくはないですが「ファオー、ファオー」にも、「オワー、オワー」にも聞こえます。とにかくそんなダジャレみたいな話がその名の由来だなんて、この美しく格調高い鳥には相応しくありません。最初、冗談を言っているのかと思いましたが、「まさか知らなかったんですか?鳥の専門家と自負されているようですが、その程度だったんですね」とOさんがニコニコしながら畳みかけてきました。そして「ネットで調べてみてください。名前の由来が書いてありますよ」と言い放ったのです。
まさかと思いながらもその場で調べると、「和名は緑色の体表や、繁殖期の鳴き声が「アーオアオ」と聞こえることに由来する²⁾」と最初の方にその冗談みたいな一文が書かれていました。「思い込みは失敗の母」、アメリカの有名なデザイナーの名言だそうです。肝に銘じたいと思います。
1)加藤ゆき.アオバトのふしぎ.自然科学のとびら2019;25(2).11-12
https://nh.kanagawa-museum.jp/www/pdf/tobira46_all.pdf
2 )「アオバト」 フリー百科事典『ウィキペディア日本語版』。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%
83%90%E3%83%88(2023年6 月22日(木) 06:54 UTC の版)
<所属>
獣医師 日本毒性病理学会認定病理学専門家
テルモ(株)R&Dテクニカルアドバイザー
<プロフィール>
テルモ湘南センター 元主席研究員
テルモバイオリサーチセンター 元センター長
人口血管、ステント、イメージングデバイスなど、種々の医療機器の研究開発に従事。
写真は20代の初めの頃、当時お世話になっていた国立衛生研究所の室長に薦められて。モチーフは主に風景と鳥。
記憶している最初のカメラは、キャノンEOSシリーズの1号機、EOS650。
現在使っているカメラはNIKONで、購入したのはつい最近のこと。
それまで使っていたカメラとレンズ資産を手放して購入し、現在は望遠レンズ購入を検討している。
撮影のモットーとしては、デジタルカメラで撮影の際は、多少ピントが甘くても、その瞬間を逃さずシャッターを切ることが大事だと思っている。