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US(ユーズ):基礎講座 Q12

Q

着色尿における試験紙への影響について教えて下さい。

A

試験紙法は操作が簡便である反面、検体が希釈されないため、色調そのものの影響を直接に受ける。特に各項目の陽性色に似た着色尿であると、偽陽性として判定してしまう場合が多い。疑わしいものについては原理の異なる他の方法で確認することが必要である。通常この着色尿の影響は、試験紙の偽陽性反応の中に含まれることが多いが、これには薬剤の代謝産物が尿を着色する場合と、試薬成分との反応で試験紙の呈色に影響を与える場合とがある。さらに後者は、試験紙の反応系に関わる試薬成分と反応して影響する場合と、試験紙が強酸性や強アルカリ性に緩衝されていることにより、pHの変動で着色する薬剤が影響を与える場合とがある。例えばエトドラク製剤(製品名:ハイペン、オステラック)を服用していると、尿色は淡黄色であるが、この薬剤のフェノール系代謝物が、ビリルビンのジアゾ化合物と反応して、試験紙の呈色がピンク〜赤褐色になり、陽性と判定してしまう場合がある1)。これは反応系の試薬成分に影響を与えた場合である。また、エパルレスタット(製品名:キネダック)では尿色は濃黄色〜橙黄色であるが、アルカリ性下では赤褐色になる薬剤であるため2)、至適pHをアルカリ性に保っているケトン体試験紙では赤褐色を呈する。これはpH変動による薬剤の発色が影響を与えた場合である。このように、尿試験紙はその特性上の限界があるため、着色尿や薬剤の影響を十分に理解して使用することが必要である。

引用文献:

  1. 眞重文子,鈴木令子:5.ビリルビン・ウロビリノーゲン,臨床病理特集第100号,113〜120,1995.
  2. 林 昭夫,他:アルドース還元酵素阻害剤(エパルレスタット)の尿中ケトン体検査への干渉とその機序の解明,糖尿病,35巻10号,819〜823,1992.

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