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US(ユーズ):基礎講座 Q8

Q

尿潜血試験紙の反応原理およびその特異性について教えて下さい。

A

尿潜血試験紙には試薬成分として過酸化水素クメンなどの過酸化物とo-トリジンなどの還元型色原体(クロモーゲン)が含まれている。ヘモグロビンはそれの有するペルオキシダーゼ様作用(偽ペルオキシダーゼ活性)により過酸化物を分解し、活性酸素を遊離する。この遊離した活性酸素は試薬成分である還元型色原体を酸化して酸化型色原体(青色)にする(図1)。

潜血試験紙には反応系の試薬成分以外に溶血剤(サポニン、ラウリルなどの硫酸ナトリウム界面活性剤)も含まれている。これは試験紙上で赤血球を溶血させるための工夫がなされている。通常尿中には赤血球とヘモグロビンが混在してる場合が多いが、赤血球と反応している場合は斑点状の呈色となる1)。目視法では色調表で溶血と非溶血を分けて判定できるが、機器判定では濾紙表面上の反射率を測定するため、斑点状の呈色では低めに判定されるという問題点がある2)

次に特異性であるが、ヘモグロビン中のペルオキシダーゼ様作用を利用しているため、ヘモグロビンのみに特異性が高いとは言えない。尿中にはヘモグロビン以外にミオグロビン、細菌、白血球中に含まれるペルオキシダーゼ、精液中に含まれるジアミンオキシダーゼなどがあり、これらによって偽陽性を呈する場合がある3)

図1 反応原理

引用文献:

  1. 伊藤機一,野崎 司:概論:試験紙法による尿定性・半定量検査,日本臨床57巻増刊号,45〜79,1999.
  2. 太子 馨,松岡 瑛:尿試験紙法の自動分析.検査と技術,vol 18.no 12,1451〜1456,1990.
  3. 「尿試験紙検査法」JCCLS提案指針.日本臨床検査標準協議会会誌,vol 16.2,33〜55,2001.

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